研究課題/領域番号 |
23K17257
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江口 佳那 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00971623)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | ウェアラブルセンシング / 表面筋電図 / 周期性四肢運動障害 |
研究開始時の研究の概要 |
周期性四肢運動障害(PLMD)は適切な治療を受けていない患者が多いとされる慢性睡眠障害であり,周期性四肢運動(PLMs)と呼ばれる不随意運動による不眠などを特徴とする.PLMDの治療適正化には,非専門家が自宅で簡単にPLMsの発現状況を評価できる,利便性・正確性・快適性を兼ね備えた手法が必要である. 本研究では,非専門家による独力での正確な表面筋電図計測と夜間睡眠時装用における快適性を両立可能にするウェアラブル電極,ならびに,正確なPLMs計測を可能にする計測・解析法の研究開発を進める.
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研究実績の概要 |
本研究では,慢性睡眠障害のひとつである周期性四肢運動障害の治療適正化に向けて,非専門家が自宅で簡単に脚動の発現状況を評価できる,利便性・正確性・快適性を兼ね備えた在宅モニタリングの実現を目指している.この目標に向けて,当初の計画では,(1)ウェアラブル電極の改良と評価,(2)PLMs計測対象筋の選定と計測位置の検討(患者症例報告,健常者研究),(3)正確なPLMs計測を可能にする計測・解析法(健常者研究)をそれぞれ計画していた. 当初計画では,申請時点で倫理委員会承認を得ていた項目(1)を2023~2024年度,新規に倫理委員会承認を得る必要がある項目(2)と(3)については,2023年度に予備実験,2024~2025年度の実験実施を計画していた. 当初計画と異なり,本年度は項目(1)の実験を実施できなかった.これは,導電糸を編み上げて縫製したテキスタイル電極の計測電位が安定しないという,当初計画時に想定し得なかった障害が生じたことに起因する.この問題解決には時間を要することが想定されたため,本年度は項目(2)(3)に注力する方針に切り替えた. 項目(2)の患者症例報告については,倫理委員会承認を得た後,対象運動を模した随意運動を対象として,項目(2)(3)の基礎検証を行った.一方,項目(2)の検証項目であった対象運動のモニタリングについては,倫理委員会承認を得た時点で当初計画していた夏期を過ぎていたため,翌年度の持ち越すこととした. 項目(2)(3)の健常者研究については,これらを同時検証可能なプロトコルを策定して倫理委員会承認を得たうえで,健常女性12名を対象とした計測実験を完了した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の実績を当初計画に照らし合わせると,(1)は遅延,(2)は一部遅延,(3)は当初よりも進捗ありという状態であった.遅れている取組と,進捗が得られた取組が同規模であったことを踏まえ,本判断に至った.
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今後の研究の推進方策 |
項目(1)については,早期の実験実施に向けて,テキスタイル電極による計測電位が不安定性になる要因を継続して探索する.本研究は,計測電位の正確性に加えて,非専門家におけるユーザビリティ検証を対象としている.このため,2024年度以降は,電位計測を必要としないユーザビリティ検証を別実験として切り出し,並行して実施することで,データ収集の効率化と検証遅延の巻き返しを図る. 項目(2)の症例報告のうち,対象運動のモニタリングについては,当初計画を1年後ろに倒し,2024年度の実験実施を計画している. 健常者を対象とした項目(2)と(3)については,健常男性を対象とした実験を2024年度中に実施することを計画している. これらの結果を取りまとめ,2024~2025年度に学会や論文誌での発表を目指す.
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