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多波長分光顔画像からの血糖値変動に関する空間特徴量の分離抽出

研究課題

研究課題/領域番号 23K17258
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90150:医療福祉工学関連
研究機関長岡技術科学大学

研究代表者

大岩 孝輔  長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20781032)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
キーワード遠隔血糖値計測 / 多波長分光計測 / 遠隔生体計測 / 近赤外顔画像
研究開始時の研究の概要

我々はこれまで可視・近赤外・赤外帯域で遠隔的に計測した顔色と皮膚温の情報を含む多波長分光顔画像の空間特徴量に基づく血糖値推定を試みている。しかし,多波長分光顔画像には血糖値変動に関連する空間特徴量のみならず,血圧変動に関連する空間特徴量が混在することが予想される。多波長分光顔画像から血糖値変動に関連する空間特徴量だけを分離抽出できれば,遠隔血糖値センシングの精度が向上し,血糖値モニタリングの実現だけでなく血糖値計測におけるQOLの向上も期待できる。本研究では,多波長分光顔画像からの血糖値変動に関連する空間特徴量の分離抽出と,それらの空間特徴量に基づく遠隔血糖値推定精度の評価を目的とする。

研究実績の概要

本研究では、多波長分光顔画像の空間特徴量に基づく遠隔血糖値推定の実現を目的としている。2023年度では以下の2つの検討を実施した。
1つ目の検討事項は、760-1650nmにわたる広帯域波長の近赤外画像に基づく血糖値推定モデルの構築である。これまでに、可視・近赤外・赤外帯域で計測した顔画像に基づく血糖値推定精度を評価した結果、近赤外帯域で計測した条件で推定精度が良いことがわかっていた。本検討では、生体の窓と呼ばれる波長域を含む760-1650nmにわたる広帯域波長の近赤外画像の空間特徴量に基づく血糖値推定モデルを実施した。結果、一般モデルの推定誤差が30mg/dL程度であり、推定精度が低かった。推定精度が低い要因の1つに広帯域波長を扱っていることが考えられる。広帯域波長の画像にはさまざまな深さの生体情報が混在している。遠隔血糖値推定に適した波長(つまり、深さ)があると考えれば、さまざまな深さの生体情報を取得することは、その波長(深さ)の情報以外の余分な情報まで取得してしまい、血糖値推定精度が低下する可能性が考えられる。
上記問題を解決すべく、 波長域は760-1650nmであるが、その波長域の中で10の単一波長(波長:1050、1100、1150、1200,1300、1450、1550、1650 nm)で計測した近赤外分光顔画像の空間特徴量に基づく血糖値推定モデルの構築することで、血糖値推定に適した波長を求めることを2つ目の検討事項とした。結果、800nm、910nm、1100nm、1550nmの波長域で計測した顔画像の空間特徴量に基づく血糖値推定のための個人モデルの推定誤差が20mg/dLであり、他の波長域で計測した顔画像を用いた条件に比べて低かった。
以上より、800nm、910nm、1100nm、1550nmが遠隔血糖値推定に適した波長であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、多波長分光顔画像の空間特徴量に基づく遠隔血糖値推定の実現を目的としている。2023年度では、「760-1650nmにわたる広帯域波長の近赤外画像に基づく血糖値推定モデルの構築」と「760-1650nmの波長域における遠隔血糖値推定に適した波長の同定」を実施し、800nm、910nm、1100nm、1550nmが遠隔血糖値推定に適した波長であることが示唆された。当初の計画では、2023年度中は多波長分光顔画像と参照血糖値の計測実験を実施することになっていたが、実際には計測実験と遠隔血糖値推定に適した波長の同定のための解析を同時並行で進めた。以上より、現時点では本研究はおおむね順調に進展していると考える。現時点で12名の被験者に実験に協力いただいているが、本研究での目標被験者数は20名以上であるため、2024年度も引き続き計測実験を進める必要がある。

今後の研究の推進方策

現在の進捗状況にも記載したとおり、本研究での目標被験者数は20名以上であるため、2024年度も引き続き計測実験を進める必要がある。さらに、2023年度に実施した「760-1650nmの波長域における遠隔血糖値推定に適した波長の同定」については、血糖値推定のための個人モデル構築とその評価のみ実施しているため、2024年度では、血糖値推定のための一般モデル構築とその評価を行う必要がある。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Feature Extraction for Estimating Acute Blood Glucose Level Variation From Multiwavelength Facial Images2023

    • 著者名/発表者名
      Mayuko Nakagawa, Kosuke Oiwa, Yasushi Nanai, Kent Nagumo, Akio Nozawa
    • 雑誌名

      IEEE Sensors Journal

      巻: 23 号: 17 ページ: 20247-20257

    • DOI

      10.1109/jsen.2023.3299377

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] An exploratory study of regression methods for blood glucose estimation based on near-infrared facial images with wavelengths ranging from 760 nm to 1650 nm2024

    • 著者名/発表者名
      Mayuko Nakagawa, Kosuke Oiwa, Yasushi Nanai, Kent Nagumo, Akio Nozawa
    • 学会等名
      29th International Symposium on Artificial Life and Robotics (AROB 29th 2024)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 760nm から 1650nm にわたる広帯域波長の近赤外画像に基づく血糖値推定のための個人モデルの構築2023

    • 著者名/発表者名
      中川真結子, 大岩孝輔, 七井靖, 南雲健人, 野澤昭雄
    • 学会等名
      2023年 電気学会 電子・情報・システム部門大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 800nmから1650nmの近赤外分光顔画像を用いた遠隔血糖値推定2023

    • 著者名/発表者名
      寺嶋玲央, 中川真結子, 大岩孝輔, 南雲健人, 野澤昭雄
    • 学会等名
      第25回日本感性工学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] 国際会議でYoung Author Awardを受賞

    • URL

      https://www.aoyama.ac.jp/post06/2024/news_20240409_01

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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