研究課題/領域番号 |
23K17259
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
伊丹 琢 青山学院大学, 理工学部, 助教 (40834057)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 転倒検知 / 人間工学 / 歩行支援デバイス / シミュレーション / 歩行支援 / 転倒バランス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高齢者の身体バランス異常による転倒を未然に検出し,重心位置を正常へ誘導することにより転倒を未然に防ぐことが可能な装着型歩行支援靴の開発を行う.近年,高齢化がますます深刻化する我が国において,高齢者の転倒は医療及びリハビリテーション分野において喫緊の課題とされている.本研究では,体重心位置と支持基底面の関係性に着目し,全身バランスが崩れた際に体重心位置を水平面において支持基底面内に誘導可能な靴底機構を有する装着型歩行支援靴の開発を行う.本研究により,高齢者が転倒を怖がらずに自身の脚で歩行を続けることが可能となり,高齢者のQOL(生活の質)向上が見込まれ,健康寿命の延伸が期待される.
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研究実績の概要 |
本研究では,歩行時の転倒の理由で最も多いつまずきの予測として歩行時の足関節角度に着目し,MATLAB のツールボックスの1つであるSimscapeMultibody というシミュレーションソフトを用いて,歩行時の遊脚初期における,脚の寸法及び質量が異なる2種類の歩行モデルの設計及び足関節背屈力が異なる6パターンの歩行モデルの作成を行った.シミュレーションにてつま先に慣性センサを取り付け,角度,角速度,角加速度の解析を行うことでつまずき予測の可能性を検討した.結果より,本研究で作成した歩行モデルでは,遊脚初期の前半部分における角加速度の傾きの正負によって,つまずき予測が可能にあることを示した. 一方で装着型ロボット靴に関しては,厚さ2cmのインソール型ロボットの開発に成功し,本ロボット装着により健常者6名の足ふみ動作時におけるバランス機能向上を確認した.本ロボットは内蔵されたジャイロセンサの情報から歩行状態を検知し,ステッピングモータにより踵部機構が常に水平を保つように制御される.また,体重等の荷重が本ロボットに加わった際においても,ロボットが破損せず支援を行うことが可能となるように,ねじれ機構によるアクチュエータを新たに開発することで,機構の厚さを抑えつつ十分なトルク発揮が可能なロボット機構を開発した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
転倒動作時の挙動解明に関しては,シミュレーションベースで転倒動作を事前に検知可能であることが示唆され,また転倒時および非転倒時において,角加速度値が異なる挙動を示すことが明らかとなった.また,ロボット機構に関しては,モータ駆動への影響を最小限にする新たな駆動機構を開発し,強度面および耐久面で満足するロボット靴の開発に成功することができた.上記の理由により,現在までの進捗状況としておおむね順調に進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
申請書に記載の通り,研究項目3である屋内で装着可能な歩行支援靴の開発を本格的に開始していく.具体的には屋内での装着を考慮する場合,歩行支援靴は簡易的に装着可能,かつ軽量である必要がある.そこで,本研究では,義肢装具会社と連携して,実際に装着する後期高齢者の屋内における歩行支援靴という点を考慮した靴形状の製作を行う.具体的には,装着の間便さ,装着中の足部保持,軽さに焦点を当てて,義肢装具会社と連携しながら,歩行支援靴の開発を行う.
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