• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

筐体と訓練をカスタマイズして分離運動の再獲得を図る家庭用片麻痺手指リハロボット

研究課題

研究課題/領域番号 23K17264
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90150:医療福祉工学関連
研究機関公益社団法人函館市医師会函館市医師会看護・リハビリテーション学院(生体医工学研究センター)

研究代表者

古館 裕大  公益社団法人函館市医師会函館市医師会看護・リハビリテーション学院(生体医工学研究センター), 生体医工学研究センター, 研究員 (90900209)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード手指リハロボット / 手指伸展アシスト / 3Dプリンタ / 関節角度 / 片麻痺 / 手指 / リハビリテーション支援ロボット / 在宅医療 / 分離運動
研究開始時の研究の概要

片麻痺の手は退院までに回復が間に合わないことが多く,退院後も指を随意的かつ自由に曲げ伸ばしする能力(以下,分離性)の回復に努めることが重要な課題である.ロボットはこれを支援する技術であるが,特定の対象や訓練内容に特化した問題があり,1台で分離性の回復まで至らない問題があった.これに対して申請者は,既存のロボットとは真逆の発想の「分離性に応じて筐体や訓練内容を自在にカスタマイズし,片麻痺の重い人から軽い人までを1台で治療できるロボット」を提案する.本研究ではこの実現のため,①指を伸ばすアシスト力を調整できる機構,②訓練の難易度やアシスト量を調整できる訓練システムの2つの実現方法を明らかにする.

研究実績の概要

本研究は,片麻痺の重い人から軽い人までを1台で治療できる在宅向け手指リハロボットの開発を最終目標としている.これについて我々は,「患者が自身の回復度に合わせて,①筐体・アシスト機構と②ロボットが行う治療プログラムの2点を自在にカスタマイズできるロボット」を提案しており,①②の実現方法を明らかにすることを本課題の目的としている.
初年度である2023年度は,筐体・アシスト機構の実現を中心に研究を進め,以下の成果を得た.
1.筐体の設計・実装…全体の構想をパソコンのマウスのような形状とし,患者が手を載せるだけで使えるような設計とした.さらに筐体を,①片麻痺手指特有の不随意的な握り込み状態を想定してカスタマイズできる手指鍵盤パーツ,②手指鍵盤パーツを取り付ける土台部分の2つに分けて設計した.設計後は①②を3Dプリンタにより印刷し,予備実験として健常若年者の手指が筐体に当てはまるかどうかを確かめたところ,手指の姿勢を問わず筐体がフィットすることが明らかとなった.
2.アシスト機構の設計・実装…片麻痺手指は握りこみにより手指の伸展動作が困難となるため,この動きをアシストする機構の設計を行った.具体的には,ギアモータの駆動と共に上下に往復し,手指を下から上に持ち上げて伸展動作のアシストを行う機構を開発した.実現したアシスト機構の有効性を確かめるため,①健常若年者を対象としてアシスト前後の手指の関節角度の変位,②アシスト機構が発生できる最大アシスト力の2つを測定した.この結果,アシスト機構は個々の手指の伸展をもたらせることが明らかとなった.しかし,片麻痺が重い患者が行う「手を一斉に開く練習」など,複数の手指を同時に動かすことを想定したアシストでは,アシスト力不足であることも明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記載の通り,2023年度は筐体・アシスト機構の実現を中心に研究を進め,手指の握りこみ状態に合わせてカスタマイズできるロボットのデザインを明らかにできた.また,アシスト機構の設計・実装で明らかとなったアシスト力不足については,ギア比の高いギアボックスを開発することで,解決できる可能性も見えている.このため,計画通りに研究が進んでいると考える.

今後の研究の推進方策

2023年度で筐体・アシスト機構の基本的なデザインを確立できたので,今後は2023年度の成果を基盤として以下に取り組みたい.
1.筐体の改良…予備実験にて,健常若年者の手指に対するロボットの良好な当てはまりは確認できたが,患者に対しては確認できていない.特に,若年者と高齢者で手の大きさに違いがあることが想定されるため,これに対応できるような筐体のデザインを明らかにしたい.
2.アシスト機構の改良…複数の手指を一斉に伸ばす動きに対するアシスト力不足が明らかとなっている.このことから,どのくらいの力が複数の手指の伸展アシストに必要で,3Dプリンタでギアボックスを作成した際にどのくらいのトルク伝達のロスが生じるのか,ロスを考慮してどのようなギアボックスを設計したら良いかを明らかにしたい.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 在宅利用を想定した片麻痺手指リハロボットやフレイル予防ロボットにおける医療者との連携と開発2023

    • 著者名/発表者名
      Furudate Yuta、Chiba Kaori、Ishida Yuji、Mikami Sadayoshi
    • 雑誌名

      日本ロボット学会誌

      巻: 41 号: 4 ページ: 331-337

    • DOI

      10.7210/jrsj.41.331

    • ISSN
      0289-1824, 1884-7145
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Customizable Home Rehabilitation Robot for Hemiplegic Patient to Improve Finger Independence2023

    • 著者名/発表者名
      Yuta Furudate, Kaori Chiba, Yuji Ishida, Sadayoshi Mikami
    • 学会等名
      2023 Seventh IEEE International Conference on Robotic Computing (IRC2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Home-based Lower-limb Training Application Based on Biofeedback Method by Affordable Device for Care Prevention2023

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Sato, Yuta Furudate, Kaori Chiba, Kenta Hiratsuka, Hiroko Yokoyama, Yuji Ishida, Sadayoshi Mikami
    • 学会等名
      45th Annual International Conference on the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society (EMBC2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 痙縮の強さに合わせて筐体を変形し分離運動の再獲得を目指す在宅 向け片麻痺手指リハビリテーションロボット2023

    • 著者名/発表者名
      古館裕大、千葉馨、石田裕二、三上貞芳
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会2023(Robomech2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi