研究課題/領域番号 |
23K17267
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
城 一裕 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80558122)
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研究分担者 |
石川 琢也 京都芸術大学, 芸術学部, 講師 (00793663)
伊藤 隆之 公益財団法人山口市文化振興財団, 山口情報芸術センター, YCAM InterLab課課長 (10793656)
中上 淳二 公益財団法人山口市文化振興財団, 山口情報芸術センター, YCAM InterLab課職員 (20793631)
安藤 充人 公益財団法人山口市文化振興財団, 山口情報芸術センター, YCAM InterLab課職員 (40563341)
牧野 豊 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80945080)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2025年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2024年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | 無響室 / 残響室 / 作品制作 / アンビソニックス / DSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル) / DSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル) / 音楽配信 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、自然界には存在しない人工空間としての無響室と残響室において、現代の作家との協働により音の知覚体験そのものを考察する作品を制作する。あわせて、聴衆の立ち合いが難しいこれらの音響空間における音の知覚体験を、配信という形で共有すべく、原音場の再現性に優れたアンビソニックスと、時間領域での再現性が極めて高いダイレクト・ストリーム・デジタル(以下DSD)とを組み合わせた技術を開発する。特異な音響空間を用いて、音を知覚する、ということの意味を問い直す作品の制作と、これまでの音響配信とは空間・時間的に次元の異なる本技術の実現により、音を知覚するという体験へのパラダイムシフトが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、自然界には存在しない人工空間としての無響室と残響室において、現代の作家との協働により音の知覚体験そのものを考察する作品を制作すること、ならびに、聴衆の立ち合いが難しいこれらの音響空間における音の知覚体験を、配信という形で共有すべく、原音場の再現性に優れたアンビソニックスと、時間領域での再現性が極めて高いダイレクト・ストリーム・デジタル(以下DSD)とを組み合わせた技術を開発することを目的としている。 研究初年度となる本年は、芸術的な観点からは、無響室と残響室に関わる芸術的および技術的な試みに対する歴史的な調査を踏まえ、複数の作家との協働のもと、アンビソニックスやバイノーラルといった手法を用いて当該の空間での録音と試聴を繰り返し、当該の空間の特異性を確認すると共に、関連するイベントの開催を通じて、次年度に発表予定の作品の検討を進めた。 また、技術的な観点においては、DSDに対応した配信プラットフォームである「LiveExtreme」を対象として、DSD対応のアンビソニックスエンコーダ(AフォーマットからBフォーマット)を開発し、アンビソニックス対応のマイクロフォンからの4chの信号を、複数チャンネルのDSDへのA/D変換に対応したオーディオインタフェースを介してエンコーダに入力することで、DSD形式のままにインターネットを介して音声を配信することを実現した。あわせて、その結果を既存のPCM形式での配信と比較することで、当該技術の優位性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初各種手続きに伴う進捗の滞りが懸念されたものの、研究年度内後半に、作品の試作、並びに、技術の開発の双方において、大きな進捗が確認されたため当該の区分としている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、本年度に協働した作家との作品の制作並びに公開と、開発した技術を用いたそれら作品の記録・配信を予定している。あわせて、新たな作家との協働による、さらなる音の知覚体験を考察する作品の制作、並びに、開発した技術の検証・改良と、その実用可能性の検討を行う予定である。以上の成果は、学術的な取りまとめをはかり、国際学会・研究会などで発表を予定している。
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