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”デジタル化石鉱山”の構築:博物館を中核とした新たな自然史研究資源を開拓する

研究課題

研究課題/領域番号 23K17274
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金
審査区分 中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
研究機関北海道大学

研究代表者

竹田 裕介  北海道大学, 理学研究院, 博士研究員 (50838852)

研究分担者 真鍋 真  独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, コレクションディレクター (90271494)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
23,920千円 (直接経費: 18,400千円、間接経費: 5,520千円)
2025年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
キーワード古生物学 / 自然史 / データキュレーション / データアーカイブ / ビッグデータ / 画像解析 / システム開発 / トモグラフィ / オープンサイエンス
研究開始時の研究の概要

本研究は従来の博物館収蔵標本と自然地層に代わる研究資源(“トモグラフィ画像を用いたデジタル化石鉱山”)を構築することで,新たな自然史科学研究体制の開拓を目的とする.大量のトモグラフィデータを博物館でアーカイブ,オープンアクセス化する低コストの方法開発と運用を行い,サイバー空間上にオープンな研究資源プラットフォームを創生する.実践研究を通して,”デジタル化石鉱山”が自然史科学の研究体系を変革するモデルケースを作る.制作したソフト等のノウハウの公開で,世界中の博物館が独自の化石鉱山を構築できる世界を創る.本研究により実物標本の収集・保存・維持管理が主体である博物館に新たなコレクションが創出される.

研究実績の概要

X線CTに代表されるトモグラフィ技術の普及は,実物標本に基づいてきた自然史の調査・研究をデジタル3D空間上へ拡張させた.トモグラフィデータは試料全体の内・外部形態を連続的な断層画像セットに変換したもので,そこから3D復元も可能である.この高い情報量をもつデジタルデータは,博物館における新たなカテゴリーのコレクションとしてのポテンシャルが極めて高い.そこでトモグラフィ画像をキュレーション・アーカイブし,”デジタル化石鉱山”を構築することで新たな研究体制を開拓することが本研究の目的である.今年度は以下の研究開発を行った.
1.データキュレーションソフトウェア:トモグラフィ分析で得られた大規模画像データを自動で体系的に整理するものをpythonで開発した.ソフトウェアはGUIでユーザーフレンドリーに操作可能とした.
2.データキュレーションハードウェア:上述のソフトウェアを実行する低コストな計算機を開発した.小型PCを複数台用いて,スイッチングハブと10ギガビットイーサネットケーブルで有線接続することでPCクラスタを構築した.1.で開発したキュレーションソフトウェアによる処理を並列化し,高速・効率化した.
3.データの長期保存:キュレーションされたデータをLTO8テープにアーカイブし,ハードケースで保管する体制を確立した.
4.実践研究:トモグラフィデータの画像セグメンテーションに関する技術調査およびパイロットスケールの解析を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに,データキュレーションソフトウェア・ハードウェアの開発を実施することができた.デバッグ作業も完了し,システムは正常に運用中である.これにより,断層画像1枚ずつにコレクション番号を付してコレクション化することが可能となった.メタデータは自動作成されて,すべてのデータがそのまま博物館でコレクションできる形式でリネーム,ソーティングされる.また,データセットのオーバービューにも活用できる台帳を作成することにも成功した.システムの導入・操作手順をマニュアル化することで,ユーザー側に専門的なITの知識を求めずに運用可能とした.これらの機能・特徴はトモグラフィ画像の研究資源化に必須である.
また,実践研究として画像セグメンテーションに関する研究を当初の計画に先んじて開始することができた.
以上のことから,おおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

開発したソフトウェアとハードウェアを用いて,トモグラフィ画像のコレクション化を自動処理で進める.これと並行して実践研究として,トモグラフィデータのセグメンテーションに関する技術開発を継続し,大規模データに適応可能な解析方法の確立を目指す.また,データのオープン化に関して,データリポジトリやパブリッククラウドに関する調査を行う.

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件)

  • [学会発表] 北中国のカンブリア系張夏層から産するサンゴCambroctoconusの三次元復元と成長形態2024

    • 著者名/発表者名
      岸田明生, 江﨑洋一, 竹田裕介, 守川翔太, 足立奈津子, 劉建波, 伊庭靖弘
    • 学会等名
      日本古生物学会第173回例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] カンブリア紀サンゴCambroctoconusの成長様式の三次元復元-鎖状サンゴ群体の形成要因-2024

    • 著者名/発表者名
      守川翔太, 江﨑洋一, 竹田裕介, 岸田明生, 足立奈津子, 劉建波, 伊庭靖弘
    • 学会等名
      日本古生物学会第173回例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Three-dimensional reconstruction of the in situ mode of life of embedded Cambrian coralla using grinding tomography.2024

    • 著者名/発表者名
      Mei Kishida, Yusuke Takeda, Yoichi Ezaki, Natsuko Adachi, Jianbo Liu, Yasuhiro Iba
    • 学会等名
      2nd Asian Palaeontological Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Late Cretaceous Gymnosperm diversity in Hokkaido, Japan: A possible new order based on a permineralized fructification exhibiting new type of seed enclosure and pollentube fertilization2024

    • 著者名/発表者名
      Harufumi Nishida, Aya Kubota, Yusuke Takeda, Yasuhiro Iba
    • 学会等名
      2nd Asian Palaeontological Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Anatomically preserved pentamerous flower from the Late Cretaceous (Turonian) of Hokkaido, Japan2024

    • 著者名/発表者名
      Aya Kubota, Shin Ikegami, Yusuke Takeda, Yasuhiro Iba, Harufumi Nishida
    • 学会等名
      2nd Asian Palaeontological Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] An enigmatic new taxon from Central Pacific highlights mosaic evolution among the family Hippuritidae (Bivalvia)2024

    • 著者名/発表者名
      Ayaka Ito, Shin-ichi Sano, Yasuhiro Iba, Yusuke Takeda, Peter W. Skelton, Yolanda M. Aguilar, Roberto S. P. de Ocamo, Tomoki Kase
    • 学会等名
      2nd Asian Palaeontological Congress
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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