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アジアにおける《多様な性》――英語ジェンダー二元論を超える試み

研究課題

研究課題/領域番号 23K17287
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金
審査区分 中区分8:社会学およびその関連分野
研究機関神戸大学

研究代表者

青山 薫  神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (70536581)

研究分担者 鈴木 賢  明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
日下 渉  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80536590)
北村 由美  京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
伊賀 司  名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(国際開発), 特任准教授 (00608185)
石田 仁  淑徳大学, 地域創生学部, 教授 (40601810)
小田 なら  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (70782655)
林 貞和  大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 客員研究員 (10891286)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2026年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2025年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2024年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
キーワード性的マイノリティ / 性の多様性 / ジェンダー二元論 / アジア / 近代
研究開始時の研究の概要

性的マイノリティの存在を認め、すべての人の人権を擁護するために定着した「性の多様性」。だが、この概念は英語由来のジェンダー二元論を超えてはいない。二元論ではその存在が十分に説明できない人たちがアジアを始めさまざまな文化で確認されてきており、現在の概念系は、この人たちを承認し、人権としての「性の多様性」とその侵害を正確に把握することができないでいる。そこで本研究は、アジア9ケ国でいわゆる「非典型的な性」の歴史を調べ、現在生きている当事者に聞き取りをして、《性の多様性》とは何かを改めて明らかにする。そして、こちらの《多様性》に基づいて、現行のジェンダー概念を超える性の概念を構想する端緒をつける。

研究実績の概要

初年度の今年は、担当分担者がそれぞれの地域で次の調査を行った。フィリピン情勢の調査・分析、マレーシアで現地調査と聞き取り、日本におけるBLファンと非BLファンの同性婚賛否、性別観、共生社会の志向等のオープンウェブ意識調査、日本社会における同性愛解放運動に関する聞き取り、ベトナム現地調査と資料収集およびプライド参加、タイ、インドネシア、中国・台湾および韓国についての文献調査と資料収集。
並行して、代表者と分担者4名は、前身プロジェクトの成果出版である『東南アジアと「LGBT」の政治』(明石書店、2021年)の英訳出版に向けて翻訳・編集作業を行った。この作業と出版が実ることは、日本では取り組みが少ないこの分野において、連続性を担保し、研究蓄積を明らかにし、代表者・分担者自身の理論と実践を発展させるためにたいへん有意義である。
また、11月に名古屋大学国際協力研究科において全体でキックオフミーティングをもち、研究内容と調査予定について議論した。この際、性文化史家の三橋順子さんを招き、『歴史のなかの多様な性』と題して講演を聴き、これについて議論した。協力者10名も参加し、本研究の骨子である性と性文化の多様性についての知見を共有した。
12月には、神戸大学国際文化学研究科において、NPO Broken Rainbow Japan代表の岡田実穂さんを招き、稿会講演会『性的マイノリティへの暴力の予防と被害者支援』を開催し、約50名の参加者で盛況な議論を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

キックオフミーティング、二つの講演会、各地の資料収集または現地調査について、おおむね予定通り進み、その間に多くの研究協力者を得ている。
また、前身の研究プロジェクトである『東南アジアにおけるLGBTの比較政治研究』(16H03308:代表日下渉)の成果出版『東南アジアと「LGBT」の政治』(明石書店、2021年)の英訳出版が決まり、本研究で重なっている代表者・分担者が翻訳・編集作業を行ったことは研究蓄積の点で着実である。
個別の研究成果発表についても質量ともに充分である。

今後の研究の推進方策

2024年度も引き続き各地の現地調査と資料収集を行う。歴史的資料の探索もすることを確認する。そして、2025年以降の現地での当事者に対する聞き取りに備える。
情報と知見の共有、計画遂行のための方法とロジスティクスのすり合わせなどのため、全体での研究会を年度前半に1度行う。その際に、各地域に汎用性の高いテーマについて専門家講師を招待し、講演・議論を行う。また。性的マイノリティに対する暴力防止と支援についての公開講演会を今年も行う。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 台湾における外国籍同性パートナーとの婚姻制限問題の顛末:日本法への示唆を求めて2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 賢
    • 雑誌名

      法律論叢(明治大学法学部)

      巻: 96(4-5) ページ: 1-24

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] LGBTQ+が自ら死を選ばなくても済む世の中へ2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木 賢
    • 雑誌名

      over

      巻: 5 ページ: 16-25

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 《連載 インドネシア社会と宗教》 第3回インドネシアにおけるキリスト教2024

    • 著者名/発表者名
      北村 由美
    • 雑誌名

      月刊インドネシア

      巻: 2024-1 ページ: 27-29

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] LGBTQ+の権利保障をめぐる政治と法:台湾の経験に学ぶ2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 賢
    • 雑誌名

      法と民主主義

      巻: 578 ページ: 18-21

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] LGBT理解増進法の何が問題なのか2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 賢
    • 雑誌名

      法学セミナー

      巻: 824 ページ: 54-59

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] The Rise of “the National” in Philippine Politics: Neoliberal Screening of Welfare Inclusion and Violent Exclusion2024

    • 著者名/発表者名
      日下 渉
    • 学会等名
      Association for Asian Studies
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] フィリピンで考える「意味の政治」──比較政治学者との対話と協働2023

    • 著者名/発表者名
      日下 渉
    • 学会等名
      日本比較政治学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 現代フィリピンの「地殻変動」を再検討する2023

    • 著者名/発表者名
      日下 渉
    • 学会等名
      東南アジア学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] BLファンの意識に関する調査報告:日本国内のゲイ/バイセクシュアル男性向け調査編2023

    • 著者名/発表者名
      石田 仁
    • 学会等名
      国際シンポジウム「<BL>の国際的な広がりと、各国のLGBTQ」明治大学
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「フィリピン──ナショナルの不在と希求」『東南アジアにおける国家のリスケーリング──都市研究と地域研究との対話』2024

    • 著者名/発表者名
      日下 渉
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623096657
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 現代フィリピンの地殻変動──新自由主義の深化・政治制度の近代 化・親密性の歪み2023

    • 著者名/発表者名
      原民樹・西尾善太・白石奈津子・日下渉(編)
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      花伝社
    • ISBN
      9784763420541
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 躍動するゲイ・ムーブメント2023

    • 著者名/発表者名
      石田仁(編著)
    • 総ページ数
      440
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      4750355585
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 「LGBTQ+は中国でどう生きているのか:生存空間を模索する当事者たちの姿」兪敏浩編『中国のリアル――人々は何を 悩み、何を追い求めているのか』2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木 賢
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      4771037299
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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