研究課題/領域番号 |
23K17307
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若杉 昌徳 京都大学, 化学研究所, 教授 (70250107)
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研究分担者 |
小川原 亮 国立研究開発法人理化学研究所, 理化学研究所, 技師 (00807729)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
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キーワード | 高周波四重極 / 同重体分離 / 不安定核静止標的 / Isober separator / RFQ / リニアトラップ / ベータトロン共鳴 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、RFQ中のイオン運動の共鳴現象を積極的に活用するという新しいアイデアに基づく完璧な同重核分離フィルターの開発である。同位体分離器に接続して特定の同位体のみを単離し、大強度で純粋な不安定核(RI)ビームの供給を可能にする。これにより高純度RI静止標的を実現して、RI核反応研究における大革新と質量分離の分野におけるブレークスルーをもたらす。RFQに2色の高周波とそのskew成分を印加することで鋭く強い共鳴を効果的に発現させ、それを制御することで僅かな質量差を分離する。大電流RIビームでも、目的RIの収量を損なうことなく、混在する同重核をたった数msのフィルター通過でほぼ完全に排除する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ISOL型の低エネルギー不安定核質量分離器の下流で不安定原子核研究を実施する上で、これまで従来のISOLでは分離しけれなかった同重核(isober)の分離フィルターを開発することを目的としている。0.01%~0.001%の質量差を分離するための新しいアイデアを導入する。RFQにおいて2色の高周波を導入してこれが作る多自由度の周期条件のもとで、skew成分などの非線形力をわずかに加えることで、非常に鋭い共鳴を発現させる。鋭い共鳴が発現する動作点は質量に依存しており、その鋭さによって従来のRFQでは到達できない質量分解能が得られる可能性が高い。この性質を利用してRFQの動作点の制御によって共鳴が同重核の質量差を合理的に分離できることはシミュレーションからもわかっている。これを実現し装置をオンライン通過させるだけで同重核を分離できるフィルターを開発する。これを用いて高純度不安定核静止標的を作り、これまで不可能だった準運動学による精密核反応研究の実現を目指す。 令和5年度は、シミュレーションによる同重核分離フィルター装置のプロトタイプの設計と、それに基づく装置の製作、および要求される高周波システムを構築するための機器を整備した。今後直ちにシステム構築を行い、研究環境を整備して実験をスタートさせる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、装置の設計が順調に進み装置の製作を実施することができた。また、必要になる高周波関係の電源、アンプなど主要な必要機器の購入ができた。当初の計画では初年度(R5年度)にプロトタイプの製作を行い、次年度に試験研究を京大化研で実施する予定であるので、概ね順調と言える。 同時に適切なRFQ動作点を探索するコンピューター上の作業を進めてきており、いくつかの本同重核フィルターとして利用可能な動作点を見出すこともできている。このことで今後システムを構築して実験を進める上での効率化が望めることとなる。
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今後の研究の推進方策 |
R06年度は制作した同重核フィルターシステムの構築が最優先である。システムの構築とは、機器の組み立て、整備、調整などと同時に、高周波回路、電源回路、またそれらの制御システムを製作して実際に動作可能な状態にすることである。さらに計測システムを構築して試験実験を実施する。予期せぬ不具合や、特に高周波と電源回路におけるノイズ問題なども予測されるため、そうした問題への対処も重要な要件である。本研究はかなり精密な計測が必要でありそれを確実にすることが重要であり、電源や制御システムの構築は言うほど簡単ではない。しかしR6年度より大学院生が本研究に加わることでマンパワー的にも心強く環境も整いつつあるので、研究を進める上での好条件が揃いつつあると言える。
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