研究課題/領域番号 |
23K17330
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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研究分担者 |
吉田 真一 高知工科大学, 情報学群, 教授 (30334519)
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30335286)
中野 公彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90325241)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2024年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | MRI / あおり運転 / 機械学習 / 灰白質脳部位体積 / 脳神経基盤 / 脳ドック / 高齢ドライバー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本特有の脳ドックに注目し、4万件を超える脳MRIデータと事故歴など運転に関するアンケート調査データを連結した世界最大規模の交通脳データベースを活用する。脳ドックのMRIビックデータから、あおり運転の傾向を持つドライバーをスクリーニングする。次に、3テスラMRI・fMRIから得られた脳構造データと脳機能データの分析を基に、あおり運転特有の脳神経基盤を解明する。さらに、AIを用いてあおり運転ドライバー判別モデルを構築・検証する。一方、あおり運転行動の脳神経基盤の解明は、高齢ドライバーを対象にした危険運転対策の脳医学的裏付けにも繋がる。
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研究実績の概要 |
あおり運転に代表される危険運転行動には、精神的な不安性や異常性が大きく影響していることが推察される。精神状態と交通事故が関連する脳特徴量が同定できるのか事前調査した。注意欠如・多動症と交通事故との関連性は、既に臨床分野から数多く報告されているので、健常者の注意欠如・多動症傾向と事故および脳特徴量との関係性を調べた。 注意欠如・多動症と診断されていない、注意欠如・多動症傾向(注意欠如、多動性、衝動性・多弁の3カテゴリーに分類される)をアンケート調査した健常中高年者2547名を対象に、注意欠如・多動症傾向スコアと過去10年間での衝突事故歴および灰白質脳部位容積値との関係性を、パス解析を用いて検討した。3カテゴリーに共通する脳部位は、視覚イメージや空間認知力に関与する楔前部のみであった。すなわち、楔前部の体積値が小さいほど、注意欠如、多動性、衝動性・多弁のスコアが大きく、事故発生が多いことが判明した。あおり運転行動には多様な精神行動が関与すると考えられるが、注意欠如・多動症傾向はその一つの精神状態だと推察される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳ドックから得られる大規模MRIデータから、交通事故と関連する精神状態として既知であるADHDと脳特徴量との関連性が明らかにできた。この知見は、あおり運転と関連する脳特徴量を求められる蓋然性を高めた。
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今後の研究の推進方策 |
MRIによる灰白質脳部位体積値だけでなく、機能的MRIによる脳部位間結合を調べることで、脳構造と脳機能データの同時解析から、あおり運転と関連する脳特徴量同定を進める。
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