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スピン計測技術を基軸とするトポロジカル超伝導とマヨラナ励起状態の探索

研究課題

研究課題/領域番号 23K17353
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金
審査区分 中区分29:応用物理物性およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

白石 誠司  京都大学, 工学研究科, 教授 (30397682)

研究分担者 柳瀬 陽一  京都大学, 理学研究科, 教授 (70332575)
大同 暁人  京都大学, 理学研究科, 助教 (80884626)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2026年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワードトポロジカル / 超伝導 / スピン偏極 / マヨラナ励起 / トポロジカル物質 / スピン計測
研究開始時の研究の概要

誤り耐性のある量子計算実現に重要なマヨラナ準粒子を計測・制御するために、このマヨラナ準粒子が発現できる系で特徴的なスピン偏極状態を計測することを目指し、その実現を通じてマヨラナ準粒子そのものの状態計測への技術的プラットフォームを構築する。

研究実績の概要

初年度はトポロジカル超伝導候補物質であるFeTeSeを用いて、期待されるカイラルp波超伝導状態が生むスピン偏極状態の観測を試みた。その結果、超伝導状態に転移した条件のもとで、FeTeSeにおけるスピン偏極状態由来と期待されるスピン信号の電気的検出に成功した。対象実験として従来型(BCS)のs波超伝導を示すNbNを用いて実験を行ったが、NbNではスピン偏極状態由来のスピン信号は観測されなかった。これはマヨラナ励起を許すカイラルp波超伝導状態の物性探索に突破口を開く結果であると同時に、材料面でp波超伝導を許す材料が極めて少なく材料探索に大きなエネルギーが傾注されている中で、新たな視点からp波超伝導物質を探索するツールを手に入れたことを示唆する。次年度以降、引き続き研究を進め、より確実な証拠を手に入れると共にFeTeSe以外の物質系における計測を推進する。

また同じくFeTeSeが、そのDirac的なスピン偏極バンド構造とスピンテクスチャゆえに許容する可能性がある超伝導ダイオード効果についても探索を行い、狙い通りの超伝導ダイオード効果を観測することに成功した。これについては対象実験を推進しながらその背景学理の探索を次年度以降推進する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度からカイラルp波超伝導由来と期待されるスピン偏極信号を観測できたことは順調な滑り出しといえる。また当初計画外であった超伝導ダイオード効果に関しても大きな進展があったことは評価できる、と判断した。

今後の研究の推進方策

上記の通り、トポロジカル超伝導由来のカイラルp波超伝導性が生じるスピン偏極状態の探索・検証を続けると共に、対称性の破れが生み出すp波超伝導状態の観測への挑戦も開始する。また、中性粒子であるマヨラナ準粒子の計測をいかに実現していくかに関する調査・検討も徐々に進めていく。また、カイラルp波超伝導体以外でもp波をホストする物質群に着目して研究を行う。同時にRashba的なスピンテクスチャが許容する超伝導ダイオード効果にもよりスコープを広げて超伝導スピントロニクスの観点から新物性現象の探索を継続していく。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Spintronic functions in topological quantum materials2023

    • 著者名/発表者名
      Masashi Shiraishi
    • 学会等名
      3rd VUW-KU Workshop
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Observation of field-free superconducting diode effect in topological superconductor candidate FeTe 0.6Se0.42023

    • 著者名/発表者名
      Utane Nagata, Aoki Motomi, Daido Akito, Ohshima Ryo, Kasahara Shigeru, Kasahara Yuichi, Ando Yuichiro, Matsuda Yuji, Yanase Youichi, Shiraishi Masashi
    • 学会等名
      第71回応用物理学会春季学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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