研究課題
挑戦的研究(開拓)
被子植物の種子発達は,花粉管の進入,精細胞の放出と受精という複雑な過程を経て開始される.これまでのシロイヌナズナの知見から,花粉管から放出された後の精細胞が受精を達成できない場合でも,種子発達の開始が一部進行することが示されており,花粉管内容物の中に種子発達促進物質があると目されていた.対して本研究では,花粉管の誘引と放出を促す助細胞の細胞死を人工的に誘導した場合にも同様の肥大開始が誘導されるというわれわれ独自の発見に基づき,このオス組織非依存的なメス組織の肥大現象のメカニズムの解明に挑む.また,イネにも同様の現象が誘導できるかどうか検証し,応用技術への展開の可能性も模索する.