研究課題
挑戦的研究(開拓)
動物の繁殖形態は卵生から卵胎生を経て胎生へと漸次的に進化し、哺乳類以外にも胎生の繁殖形態が異なる系統群から独立に出現している。胎生形質の獲得は、子の保護という点で利点があると考えられる一方で、産仔数の減少や母親のエネルギーコストというトレ ードオフが予想される。また、その棲息環境が胎生形質獲得の進化的な駆動力となることが示唆されているが、現時点でこれらの予測・仮説を実験的に証明し得る実験系が存在していないため、胎生の分子機構やその生態的意義、進化的駆動力の本質的理解には至っていない。本研究では、極限環境湖において発見した胎生線虫種を用い、胎生動物出現に関する普遍的原理を見出すことを目指す。