研究課題/領域番号 |
23K17389
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
口丸 高弘 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10570591)
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研究分担者 |
岩野 智 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 講師 (10734832)
花岡 健二郎 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (70451854)
古田 忠臣 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10431834)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2025年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 近赤外生物発光 / 自由行動動物 / 発光分子センサ / 代謝 / 細胞機能 / 発光センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、近赤外生物発光源を用いて、自由行動する動物の深部臓器における細胞応答の非侵襲的かつ定量的光イメージング技術の開拓に挑む。真に生理的な状態にある自由行動動物の生体組織機能を特徴づける細胞応答のリアルタイム解析が叶えば、運動、睡眠や社交行動など自由行動を伴う生命活動の理解にむけて非常に強力なアプローチになるだろう。その実現のために、これまでに両立が困難であった長波長・高輝度でありながら定量性に優れた近赤外発光分子センサの設計手法を確立する。そして、開発した近赤外発光センサを、マウスの全身臓器を対象とした生理・疾患応答研究に実装する。
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研究実績の概要 |
本年度は、AlfaBCの分子設計の最適を進めた。具体的には、ATP結合ドメインに接続するAkalucとHalotagの末端を削り取ることで、発光エネルギー共鳴エネルギー移動 (BRET)効率が改善することを確認した。さらに、マウス生体組織におけるHalotagの近赤外色素標識の条件検討を実施した。そのために、アデノ随伴ウィルス9(AAV9)に、ATP非応答型のBRET発光源(Akaluc-AB-Halotag)を搭載し、マウスの臓器(心臓・肝臓・筋肉)に遺伝子導入を試みた。この時、AAVへの搭載遺伝子サイズを最大化する目的で、100-800 塩基程度のサイズにまたがる複数のプロモーターによる発光レポーターの発現効率についてマウスにて比較したが、広く普及しているmCAGプロモーターに匹敵するような発現量を示す小型プロモーターは得られなかった。100 塩基程度の小型プロモーターによる発光レポーターの肝組織での発現量は、mGAGよりも二桁近く低かった。そこで、AAV9-mCAGにAkaluc-AB-Halotagを搭載し、マウスに尾静脈投与することで、マウスの内蔵にBRET発光源を発現させた。そして、Halotag ligand-SiR680 (HL-SiR680)を全身投与した後、Akaluc-AB-Halotagの蛍光標識効率を発光波長のシフト(BRET効率)から解析した。その結果、投与後15分程度でBRET効率はピーク値をとり、その後30-60分にわたってピーク値が一定に保たれることなどが明らかになった。また、BRET効率は、培養細胞で得られる値とほぼ一致しており、マウスの臓器内でもHalotagの蛍光色素標識反応がほぼ飽和していることも確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者との連携も順調であり、生体組織におけるHalotagの蛍光色素標識のために十分な色素を確保し、実験を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究を推進する上で1つの大きなハードルであった生体組織におけるHalotagの蛍光色素標識において、ほぼ想定通りの結果が得られたことで、今後もプロジェクトが滞りなく推進できる状況にある。一方、mCAGに変わるプロモーターの探索は今後も継続する必要がある。
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