研究課題/領域番号 |
23K17405
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉 拓磨 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (70571305)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2026年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
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キーワード | 光遺伝学 / ライトフィールド光学系 / マウス / 大脳皮質L2/L3 |
研究開始時の研究の概要 |
現在、神経細胞集団内で「どこの細胞がどの順番で活性化するのか」という活性化の時空間パターンの違いが情報処理や記憶の変化をもたらす可能性が示唆されている。この可能性を検証し、記憶等を規定する時空間パターンを明確にする方法の1つは、イメージングで活性化の場所と順番を①高速計測し、その順番通りに神経細胞を②1つずつ光照射して人為的に再活性化させ、記憶や行動が再現されるか検証することである。本研究では独自の①計測技術と②光照射技術を統合してシングルセル3Dオプトジェネティクス技術を開発し、マウスの大脳皮質L2/L3の解析に応用することで有用性を実証する。
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研究実績の概要 |
シングルセルレベルの活性操作のためには、3D空間の全細胞の位置情報を高速に抽出して追跡する1計測技術とその位置情報から特定の細胞だけを標的にした2光照射技術が必要である。計測技術については、高分解能ライトフィールド顕微鏡において、三次元像を再構成せずに、単純な計算式をもとに二次元画像から直接、各粒子の三次元座標抽出を可能にした。さらに次のステップとして、毎秒1,000フレームで二次元ライトフィールド画像を得ながら、撮影時刻t 秒とその次の撮影時刻t + 0.001秒で得た画像の間で同一の細胞同士をマッチングさせるプログラムをMATLAB上で作製することに成功した。さらに、このプログラムをPythonへポーティングすることで、高速化することが可能となった。実証実験には、まず0.5 μmの蛍光粒子を3D空間に固定した試料を用いた。その後、蛍光粒子を浮遊させた溶液で、「動く粒子」のリアルタイム追跡を行った。通常、神経活性の計測では、神経活性とカルシウム流入に相関があることからカルシウムインディケーターGCaMPの蛍光輝度変化をモニターする。そこで、異なる蛍光輝度をもつ蛍光粒子を分散させ、GCaMPと同レベルの一定以上の蛍光輝度を持つ粒子の位置情報と輝度の抽出を行い、一定以上の活性を持つ細胞をリアルタイムに抽出できるようにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3D空間の全細胞の位置情報を高速に抽出して追跡する技術を構築したため。・
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今後の研究の推進方策 |
デジタルミラーデバイスを用い、3D空間の特定の座標にのみ、5 μm分 解能で光照射する光学系を構築し、この光学系と令和5年度の技術を統合し、令和5年度の技術で得た位置座標からフィードバックをかけ、それらの座標にのみ光照射するプログラムを作成する
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