研究課題
挑戦的研究(開拓)
がん研究分野において、「自己」と「非自己」を識別する新たな「仕組み」を理解することは喫緊の課題である。がんは、自己から変化した「異物」である。ヒト免疫系は、がんを識別するための仕組みを持つが、それでもがんはヒト免疫系を欺くことがある。申請者らは、昆虫の多胚性寄生蜂キンウワバトビコバチ(トビコ)に「自己」と「非自己」の識別における究極の「仕組み」の存在を見出した。トビコは、動物組織間で親和性を獲得した極めて稀な生物であり、免疫系の「自己」と「非自己」識別の仕組みに酷似した、現象を追跡しやすい「仕組み」が存在する。そこで本研究では、この仕組みの根幹を担う主要な分子を同定する。