研究課題/領域番号 |
23K17418
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
天竺桂 弘子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80434190)
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研究分担者 |
坊農 秀雅 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (20364789)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2026年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2024年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 組織親和的侵入 / Copidosoma floridanum / 多胚性寄生蜂 / 騙す仕組み / 騙されない仕組み / 異物識別 / 組織擬態 / 異物認識 |
研究開始時の研究の概要 |
がん研究分野において、「自己」と「非自己」を識別する新たな「仕組み」を理解することは喫緊の課題である。がんは、自己から変化した「異物」である。ヒト免疫系は、がんを識別するための仕組みを持つが、それでもがんはヒト免疫系を欺くことがある。申請者らは、昆虫の多胚性寄生蜂キンウワバトビコバチ(トビコ)に「自己」と「非自己」の識別における究極の「仕組み」の存在を見出した。トビコは、動物組織間で親和性を獲得した極めて稀な生物であり、免疫系の「自己」と「非自己」識別の仕組みに酷似した、現象を追跡しやすい「仕組み」が存在する。そこで本研究では、この仕組みの根幹を担う主要な分子を同定する。
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研究実績の概要 |
がん研究分野において、「自己」と「非自己」を識別する新たな「仕組み」を理解することは喫緊の課題である。本研究は、多胚性寄生蜂キンウワバトビコバチ(Copidosoma floridanum : トビコ)をモデルとして用い、この「仕組み」を解明することを目的とする。本年度は、騙す仕組みに関与する、宿主胚外膜の一部と推定される物質を利用する分子の同定を試みた。トビコ桑実胚が、宿主表皮細胞壁間に侵入した状態でサンプリングするために、宿主胚子とトビコ桑実胚の共存培養を実施した。トビコ桑実胚が宿主胚子に侵入する時間をある程度特定し、凍結切片を作製した。次に、トビコ桑実胚と宿主胚子を含むブロックを薄切した。トビコ桑実胚が宿主表皮細胞壁間に侵入した状態の部位が含まれるかをHE染色の後、顕微鏡観察下で検討したが、トビコ桑実胚が、宿主表皮細胞壁間に侵入した状態を含む切片が得られなかった。そのため、現在、ホールマウントでトビコ桑実胚と宿主胚子を固定し、顕微鏡下でサンプリングする方法を検討している。一方で、騙されない仕組みに関与する、同胞認識に関わる分子を同定するために、トビコ兵隊幼虫による識別行動を観察した。地域がある程度離れたトビコ兵隊幼虫と繁殖幼虫胚を共存培養し、トビコ兵隊幼虫による噛みつきの有無を検討し、①トビコ兵隊幼虫の噛みつきなしと、②トビコ兵隊幼虫の噛み付きありの組み合わせをある程度確定した。また、トビコ兵隊幼虫の頭部をサンプリングし、トランスクリプトーム解析および電子顕微鏡による解析を実施した。現在、兵隊幼虫頭部トランスクリプトームデータの遺伝子機能注釈の条件を複数検討し、候補分子の抽出を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
気候の影響により、キンウワバトビコバチの宿主昆虫の野外での発生が減少しており、十分な頭数が採取できていない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、トビコ桑実胚が、宿主表皮細胞壁間に侵入した状態でサンプリングするために、ホールマウントでトビコ桑実胚と宿主胚子を固定し、顕微鏡下でサンプリングする方法を引き続き検討する。トビコ兵隊幼虫の頭部トランスクリプトーム解析では、兵隊幼虫頭部トランスクリプトームデータの遺伝子機能注釈の条件を複数検討し、候補分子の抽出を試みる。兵隊幼虫頭部電子顕微鏡による解析では、血縁識別に関与する部位を同定し、兵隊幼虫頭部トランスクリプトームデータで得られた候補分子との関連を検討する。気候の影響により、キンウワバトビコバチの宿主昆虫の野外での発生が減少していることから、来年度は、野外採取を行う地域をさらに拡大し、実験に用いる十分な頭数を確保したい。
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