研究課題/領域番号 |
23K17427
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
家田 真樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (70296557)
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研究分担者 |
水野 聖哉 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10633141)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2025年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2024年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 心臓再生 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで我々は、心臓再生を促進する方法として心筋リプログラミング技術を開発し、さらに心臓組織に内在する細胞を分化転換して心筋再生する方法の分子生物学的機構や治療法開発に向けて研究を進めてきた。しかしながら、臓器全体の再生という点では未だ不十分であり、改善が必要である。そこで本研究では、真の心臓臓器再生を目指して、心臓発生メカニズムを活用して、心臓臓器作製法開発の基盤を確立する。
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研究実績の概要 |
心不全が増加し社会問題となっている。重症心不全に対する治療として心臓移植があるが、ドナー不足が大きな問題である。最近ブタ心臓をヒトに移植する異種移植が報告されたが、術後2か月で患者は死亡し、新たな研究開発が求められている。またiPS細胞など細胞移植法は治療効果が限定的である。これに対して近年、動物体内でヒト臓器の作製を目指す胚盤胞補完が報告された。2010年に中内教授らは、膵臓を欠損するPdx1 KOマウスの胚盤胞に、マウスあるいはラット由来のGFP-ES/iPS細胞を補完することで、ドナー由来のGFP膵臓をPdx1 KOマウス体内に作製することに成功した(Kobayashi et al., Cell 2010)。さらにPdx1 KOラット体内で胚盤胞補完により作製したマウス膵島細胞を、糖尿病マウスに移植して、血糖値が改善することも報告されている(Yamaguchi et al., Nature 2017)。しかしながらこれまで胚盤胞補完で作製した臓器は、ドナー由来の実質細胞とレシピエント由来の血管、間質細胞が混在しており、ドナー由来の臓器完全作製には成功していない。またこれまで心臓に関する胚盤胞補完の報告はない。そこで本年度は心臓欠損マウス作成を試みた。我々はこれまでの心臓再生研究の中で (Ieda et al, Cell 2010)、心血管系の発生に鍵となる遺伝子Xを見出した。さらに、関連遺伝子Yと組み合わせて遺伝子XとYをダブルKOすることで、心臓を完全に欠損するマウスの作製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験も予定通り進行し、遺伝子Xを見出している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は遺伝子Xの心臓内発現に関して、X-Creマウスとtomatoレポーターマウスを掛け合わせて、X-Cre/tomatoマウスを作製し細胞系譜解析を行う。予備実験ではX-Cre/tomatoマウス心臓内で全ての細胞(心筋、血管内皮、平滑筋、線維芽細胞)がtomato陽性であることを確認している。次に遺伝子XとYのDKOマウスをCRISPR-Cas9で複数作製し、その表現型を観察する。
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