研究課題/領域番号 |
23K17433
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
米満 吉和 九州大学, 薬学研究院, 教授 (40315065)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2027年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2026年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2025年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2024年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | NK細胞 / CAR-NK / 他家 / 再生医療等製品 / CAR-T / 抗体細胞複合体 / Monobody |
研究開始時の研究の概要 |
「活性化受容体結合monobody」(候補配列計9種類(特願2022-137288))を取得し、現在はその生物学的な特性を解析中である。本研究では更に「挑戦的研究・開拓」として発展させ、現在結合特性の解析を進める「Fc結合monobody」とリンカーにて一本鎖とし、今後5年間で前臨床試験を経て臨床応用可能な技術にまで昇華させることを目的とし、特定のジスルフィド結合を持つ冠状ペプチド候補を発現するファージライブラリを構築、「Kd<10-8」を満たす結合能を有する新規配列を選択し、抗原性・親水性/疎水性・二次構造より、低抗原性のものを絞り込んだ上で、動物にて確認する。
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研究実績の概要 |
難治性悪性腫瘍に対し、期待されながらも製剤化の困難に直面する他家CAR-T(キメラ遺 伝子導入T細胞治療)の限界を突破するために、独自特許技術であるNK細胞製剤GAIA-102 の機能を更に高度化するための遺伝子導入技術を用いず既存抗体医薬品の全てに適応可能な「抗体・細胞複合体」高度化技術を開発すること目的とし、NK細胞上の活性化受容体とIgGのFc領域とを連結する独自のmonobody2量体、ならびにmonobodyとscFvからなる新規の遺伝子非組換え細胞修飾技術の開発を進めた。着想のポイントは、遺伝子導入技術を使わずにCAR遺伝子と同様の効果(標的化+活性化)を示すことが出来れば、GAIA-102との組み合わせにより他家CAR-Tの製剤化上の問題点の「全て」が「同時に」解決出来ることである。 これまでprototypeとして、「既知の一本鎖agonistic抗体+既知の細菌由来Fc結合ドメイン」を持つ架橋構造体をin silicoシミュレーションを基に合成し、それが実際に抗体医薬品とGAIA-102に結合可能であることを明らかにした。但し、既知の細菌由来配列は抗原性が高いことが確認されており、医薬品として開発をする場合、反復投与時に宿主が中和抗体を産生してしまう可能性があり、次第に効果が減弱する可能性がある。そこで特定のジスルフィド結合を持つ冠状ペプチド候補を発現するファージライブラリを構築、 「Kd<10^-8」を満たす結合能を有する新規配列を選択し、抗原性・親水性/疎水性・二次構造より低抗原性のものを絞り込み、in vitroでGAIA-102への結合を確認した。最適化されたmonobodyは複数取得を完了し、また特許出願も済ませている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の2023年度目的の根幹を成すmonobody screeningとGAIA-102への結合活性を確認すること、また複数の候補配列についての特許化と導出、そしてそれら配列に基づく評価検体の合成を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、2023年度の成果物である各種配列をリンカー配列で結合させ、10種類程度の組合せのGAAAP (GAIA-anchoring and activating peptide:と命名)を合成する。引き続いて結合安定性、in vitroでのPOC、in vivoでの薬効薬理試験、免疫原性の確認に基づいてリードペプチドを更に3種類程度まで絞り込む。
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