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炎症性ドライバーIκBζの相反性の理解から挑む自己免疫疾患の発症機序の解明と応用

研究課題

研究課題/領域番号 23K17438
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金
審査区分 中区分57:口腔科学およびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

西村 理行  大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60294112)

研究分担者 美島 健二  昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
村上 智彦  大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50510723)
高畑 佳史  大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (60635845)
波多 賢二  大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80444496)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2026年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワード自己免疫疾患 / 関節リウマチ / 唾液腺 / 骨代謝 / 転写因子 / 細胞内シグナル
研究開始時の研究の概要

本研究計画では、自己免疫疾患である関節リウマチとシェーグレン症候群の各々の標的組織である、関節軟骨と唾液腺・涙腺に焦点を合わせて、これら自己免疫疾患の発症メカニズムを解明する。これら組織や細胞おいて“アクセル”と“ブレーキ”の相反的に機能する転写因子IκBζに着目して、これら複雑な自己免疫疾患の病態解明に挑む。したがって本研究計画は、従来の自己免疫疾患領域の研究の概念と学問体系を大きく変革させ、学術的に先導的役割を果たすと期待される。さらに本研究計画は、関節リウマチとシェーグレン症候群に対する新規治療法と新規治療薬の基盤の構築に貢献する。

研究実績の概要

1.NF-κBシグナルに対してIκBζが、正または負に働く機能を有していると報告されており、この点を明らかにするために、IκBζの役割の解明を行った。NF-κBのリン酸化およびIκBαの発現をウエスタンブロッティング法にて、NF-κB の核移行を蛍光免疫染色法にて、NF-κBの転写活性をレポーターアッセイにて解析した結果、細胞によりIκBζの作用が異なる傾向が観察された。
2.シェーグレン症候群のin vitroおよびin vivoモデルを構築するために、次の実験を行った。1)マウス唾液腺より唾液腺細胞の培養条件を最適化するために、様々な細胞培養培地の効果を検討し、安定してマウス顎下腺細胞を安定して培養する条件を見出した。2)マウス胎児の顎下腺組織を採取し、器官培養するシステム構築も行った。4)Nfkbiz遺伝子ノックアウトマウスは、生後に死に至る個体が多いため、生後マウスでの実験を行うことが大きな課題であった。このことを克服するために、Nfkbiz floxマウスとCre-ER2マウスを交配し、時期特異的マウス(Nfkbiz f/f;Cre-ER2)の作出を行った。Nfkbiz f/f;Cre-ER2に、タモキシフェンを投与することにより、ほぼ100%のキメラ率で、Nfkbiz遺伝子を欠失させることができた。さらに、Nfkbizより初代細胞を採取し、タモキシフェン存在下で培養すると、約90%以上の確率でNfkbiz遺伝子を欠失できることも確認できた。
3.関節リウマチの治療法を確立するために、シュードウリジン(Ψ-UTP)と長鎖polyAからなるmRNAベクターの関節リウマチモデルへの導入効率の向上を目指した。その結果、蛍光タンパク質を連結したmRNAベクター等を連日投与することによって、導入効果を高めれる結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.NF-κBシグナルに対するIκBζの効果に対する役割の結果が得られた。
2.マウス唾液腺細胞の培養法を確立できた。
3.マウス顎下腺の器官培養のシステムの構築ができた。
4.時期特異的遺伝子ノックアウトマウスシステムの活用にて、胎生期のみならず生後もNfkbiz遺伝子欠損マウスの解析を行える系を確立できた。
以上より、概ね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

1.NF-κBシグナルに対するIκBζの役割をさらに検証するために、マウス上皮細胞、マウス唾液腺細胞、マウス涙腺細胞、マウス骨髄由来マクロファージを用いて、IL-1β、TNFあるいはLPS等を作用させ、NF-κBシグナルを活性化させ、IκBζの過剰発現の効果を検討する。また、野生型およびNfkbiz KOマウスより、関節軟骨細胞および唾液腺上皮細胞を採取し、IL-1β、TNFあるいはLPSを作用させ、NF-κBシグナルの活性化への影響を検索する。NF-κBシグナルの活性化は、NF-κBのリン酸化およびIκBαの発現をウエスタンブロッティング法にて、NF-κB の核移行を蛍光免疫染色法にて、NF-κBの転写活性をレポーターアッセイにて評価する。
2.コラーゲン誘導性マウス関節リウマチモデルに、IκBζのアンチウイルスmRNAベクターを投与して、関節リウマチへの治療効果を病理組織学的検索およびマイクロCT解析にて検索する。

報告書

(2件)
  • 2023 審査結果の所見   実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] HOXA10 promotes Gdf5 expression in articular chondrocytes2023

    • 著者名/発表者名
      Murakami Tomohiko、Ruengsinpinya Lerdluck、Takahata Yoshifumi、Nakaminami Yuri、Hata Kenji、Nishimura Riko
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 13 号: 1 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1038/s41598-023-50318-7

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Transcriptome profiles associated with human periodontal ligament differentiation.2023

    • 著者名/発表者名
      Yuji Takahashi, Rika Yasuhara, Junichi Tanaka Haruhisa Nakano, Koutaro Maki, Kenji Mishima.
    • 雑誌名

      J Oral Biosci.

      巻: 65(1) 号: 1 ページ: 40-46

    • DOI

      10.1016/j.job.2023.01.005

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] BMP-2-mediated signaling suppresses salivary gland development2023

    • 著者名/発表者名
      Ono Shinnosuke、Yamada Atsushi、Tanaka Junichi、Yukimori Akane、Sasa Kiyohito、Mishima Kenji、Funatsu Takahiro、Kamijo Ryutaro
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 681 ページ: 1-6

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.09.040

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adipose-derived mesenchymal stem cells promote salivary duct regeneration via a paracrine effect.2023

    • 著者名/発表者名
      Seya Kang, Rika Yasuhara, Rino Tokumasu, Takahiro Funatsu, Kenji Mishima.
    • 雑誌名

      J Oral Biosci.

      巻: 65(1) 号: 1 ページ: 104-110

    • DOI

      10.1016/j.job.2023.01.006

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 唾液腺再生研究2023

    • 著者名/発表者名
      美島 健二
    • 学会等名
      第31回日本シェーグレン学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 3次元的唾液腺培養モデルの開発2023

    • 著者名/発表者名
      美島 健二
    • 学会等名
      第41回日本骨代謝学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 唾液腺再生にむけた筋上皮細胞の機能解析2023

    • 著者名/発表者名
      徳増 梨乃、安原 理佳、船津 敬弘、美島 健二
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] BMP-2が唾液腺発育に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      小野 慎之介、山田 篤、田中 準一、行森 茜、笹 清人、美島 健二、船津 敬弘
    • 学会等名
      第65回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] セマフォリン4Dは関節軟骨の非古典的シグナル経路を活性化して関節破壊を誘導する2023

    • 著者名/発表者名
      村上 智彦、高畑 佳史、波多 賢二、蛯名 耕介、廣瀬 勝俊、中南 友里、豊澤 悟、浅原 弘嗣、西村 理行
    • 学会等名
      炎症再生医学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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