| 研究課題/領域番号 |
23K17444
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| 研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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| 配分区分 | 基金 |
| 審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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| 研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
林 朝茂 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (10381980)
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| 研究分担者 |
佐藤 恭子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (00381989)
安井 裕之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20278443)
康 秀男 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90419698)
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| 研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2025年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2024年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2023年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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| キーワード | メタロミクス解析 / 生活習慣病 / コホート研究 / 分子量毎 |
| 研究開始時の研究の概要 |
我が国おける生活習慣病の対策は急務である。近年、生体内金属の機能が注目されており生体内金属を網羅的に解析する“メタロミクス解析”は新たなオミクス解析として注目されている。生体内の金属元素の多くはタンパク質や内分泌物質と結合しており、それらの金属酵素・金属タンパク質・金属結合生体物質は低分子量から高分子量の状態で存在し、“メタローム”と呼ばれる。本研究では生体内金属が、多様な形態で生体内に存在することを考慮し、分子量ごとによるメタロミクス解析を実施し、血液中メタロームと生活習慣病との関係を網羅的に検討する。この目的達成のために、メタロミクス解析が実施可能な前向きコホート研究を立ち上げる。
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| 研究実績の概要 |
核酸合成やタンパク質機能発現に深く関与する微量元素、特に生体金属に着目した“メタロミクス解析”の重要性が注目されている。しかし、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、メタボリック症候群、高尿酸血症といった生活習慣病の発症リスクに関してメタロミクスに関するエビデンスは限られている。生体金属の多くは、タンパク質や内分泌物質と結合し、金属酵素・金属タンパク質・金属結合生体物質として低分子から高分子まで多様な形態(総称して「メタローム」)で存在している。これらの機能は未解明な部分が多く、その生理的意義や生活習慣病との関連性に解明が求められる。本研究はこうした“メタローム”の形態別解析を可能とする前向きコホート研究を2023年度より計画し、2024年度に参加登録を開始した。2024年度の主な実績は以下の通りである。①コホート実施施設との間で詳細な打ち合わせを重ね研究実施体制を整備した。②新たに実施する前向きコホート研究のため、調査項目および問診票の内容を再度検討し最終決定を行った。③本研究は観察研究であるが将来的な国際的展開も見据え、UMIN-CTR(R000063966)およびClinicalTrials.gov(NCT06694012)への登録を行った。④コホート登録の開始はCOVID-19の流行後における医療機関の受診体制等の影響により当初予定より遅れたが2024年11月より開始できた。⑤ヒト血清中に存在する微量元素の濃度測定に関して、32元素を同時に定量できるICP-MS分析法を確立した。このうち14元素がヒト血清中に定量濃度範囲で存在する微量元素であった。ヒト血清の異なる前処理法の比較により、血清タンパク質と共有結合もしくは強固な配位結合をしている元素は5元素であることを特定した。 以上の取り組みにより、コホート研究の基盤が着実に構築されつつあり、本コホート研究の構築を目指す。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、COVID-19の流行後という社会的背景もあり、新たな前向きコホート研究の立ち上げに際して慎重な準備が求められた。特に、医療機関の受診体制の変化に対応しつつ、各種準備を丁寧に進めた結果、研究開始までに想定以上の時間を要した。 2024年度には以下のような準備を進め、研究実施体制を整備した: ①メタロミクス解析に対応するため、新たな検体回収システムおよび検体保管体制を再検討、②調査項目および問診票の最終決定、③観察研究であることを踏まえつつ、将来的な国際的展開も見据えて、UMIN-CTR(R000063966)およびClinicalTrials.gov(NCT06694012)への登録を完了、④研究協力施設における倫理審査申請を実施、これら一連の準備に時間を要したため、2023年度中のコホート登録開始には至らなかったが、2024年11月より登録を開始できた。今後は研究計画の延長も考量すれば、計画通りの参加登録が期待される。測定方法の開発では、共同研究施設の京都薬科大学にて、ヒト血清中に存在する微量元素の濃度測定に関して、32元素を同時に定量できるICP-MS分析法を確立した。このうち14元素がヒト血清中に定量濃度範囲で存在する微量元素であった。ヒト血清の前処理法として、密閉式湿式灰化法および強酸タンパク質沈殿法の両方式を採用した際の測定値を比較したところ、これら14元素のうち9元素は両前処理法での測定値がほぼ一致した。一方、5元素では測定値に差を認めた。これにより血清タンパク質と共有結合もしくは強固な配位結合をしている元素は5元素であることを特定した。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は、本研究の目的であるメタロミクス解析に基づく生活習慣病の新規危険因子の探索に向け、前向きコホート研究の参加登録を継続的に実施する予定である。2024年11月より参加登録を開始し、2005年に同施設で実施したコホート研究と比較して、いくつかの相違点が明らかとなっている。特に、参加受諾率の低下が顕著であり、前回がほぼ100%であったのに対し、今回は低下傾向がみられた。これに対応するため、参加者の負担軽減を目的として問診票の内容を見直し、調査項目の簡素化を図った。また、当初の計画では分子量に基づいてメタロミクス解析を6分画に分けて実施する予定であったが、研究経費の制約を踏まえ、実施可能な2~3分画に絞って解析を行う方向で計画を見直している。さらに、本研究は前向きコホート研究の構築と縦断的解析を主たる目的としているが、参加登録時に得られたベースラインデータを活用した横断研究も併行して実施し、早期から有用なエビデンスを創出していく方針である。 本年度以降、登録促進とデータ収集の加速を図りつつ、研究期間の延長も視野に入れた柔軟な運営体制で研究を推進していく。
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