研究課題/領域番号 |
23K17454
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 協同乳業株式会社研究所 |
研究代表者 |
松本 光晴 協同乳業株式会社研究所, 研究所, 所長 (50505972)
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研究分担者 |
斉木 臣二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00339996)
栗原 新 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20630966)
坪井 貴司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80415231)
日暮 琢磨 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90622580)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2026年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2025年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2024年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | ポリアミン / コリバクチン産生大腸菌 / Fusobacterium nucleatum / DNAメチル化 / ゼノファジー |
研究開始時の研究の概要 |
長年、ポリアミン(PA)は癌の増悪化因子と扱われてきた。しかし研究代表者らは、正常細胞に対するPAの機能を再整理し、「腸内菌叢由来PAは、大腸上皮幹細胞に対する核酸保護作用とゼノファジー(細胞侵入菌に対するオートファジー)促進作用により、細菌の遺伝毒性からDNAを保護し、大腸癌を予防する」との仮説を立案した。本研究では、日本人の大腸癌病変組織から遺伝毒性菌候補(コリバクチン産生大腸菌とフソバクテリウム・ヌクレアタム)を分離し、またDNAメチル化異常頻発領域を特定して、細胞および動物実験で仮説を検証し、大腸癌の新たな予防法に資する基盤データ作りに挑戦する。
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研究実績の概要 |
倫理委員会の承認を得て、大腸癌罹患者を対象に大腸内視鏡を用いて大腸癌組織の採取を開始した。それら試料からのコリバクチン産生大腸菌の分離を実施中で、得られた一部の分離菌株を用いて遺伝子操作を始めた。DNAメチル化解析は、解析条件等の予備検討をする予定であったが、使用を予定していた新モデルのパイロシーケンサーに不具合があることが判明し遅れている。しかし、年度末に旧モデルの機種で対応する目途がたったため、現在準備中である。 本研究で標的の一つであるフソバクテリウム・ヌクレアタムに関しては、分離済みの臨床菌株を用いて微生物学的研究を進めた。全ゲノム解析で、大腸癌に定着している菌株が口腔内由来であることを確認し、さらに、菌株レベルで識別するCRISPR-Cas領域を標的としたジェノタイピング法を開発して論文掲載にまで至った(Microbiol Spectr 11:e05123-22, 2023)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会での承認を含めて2023年度に進めておくべき準備の大半を終えて、本研究に使う大腸癌患者の内視鏡検査試料の採取を無事に開始することができている。その試料を用いて、大腸癌患者からコリバクチン産生遺伝子保有大腸菌の分離も進んでいる。 以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
計画に従い、2024年度前半までに採取した大腸癌試料を用いて種々の実験における予備データを得て、順次、本試験に進める予定である(大腸癌試料の回収は2024年度後半も継続する)。 具体的には、臨床菌株の分離を進め、得られた菌株の毒素産生遺伝子の欠損菌株を作出する。また大腸癌組織のDNAメチル化解析はパイロシーケンシングのための条件検討を終え、採取済みサンプルの解析を開始する予定である。大腸上皮幹細胞のゼノファジーや単離についても検討開始する。
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