研究課題/領域番号 |
23K17469
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
大久保 佑亮 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (80596247)
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研究分担者 |
太田 裕貴 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (30528435)
栃内 亮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (90833997)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2026年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2025年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 毒性試験 / ウェアラブルデバイス / マルチモーダルバイタルサイン / 毒性評価技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ラットを用いた経口投与試験における、生命維持に必須な呼吸、循環器、神経への急性影響を対象とした毒性試験法の高度化を試みる。熟練の毒性試験実施者は過去の経験を参照することでラットの一般状態から毒性発現機序を類推し、病理検査や血液生化学検査と合わせて、総合的に毒性を評価している。本研究ではこれまで暗黙知に基づく定性的な観察による毒性評価技術を、定量連続バイタルサインデータに変換し、毒性評価技術の形式知化を試みる。そして、現行の毒性試験法に、開発したデジタルトランスフォーメーション(DX)を組込み、毒性評価技術の発展的継承を目指す。
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研究実績の概要 |
動物を用いた毒性試験は、動物試験代替法の推進による動物試験の削減・廃止と、熟練の毒性研究者の定年退職に伴う毒性評価技術の断絶という危機的状況に陥っている。毒性評価技術は、科学技術が未発達であった当時の毒性研究者の執念により今日まで信頼性が保証されている頑健な毒性評価システムとして構築され、継承されてきた。しかしながら、頑健さ故に新規科学技術の導入が難しく、その技術も途絶えようとしている。我々はラットにジャケットを装着するのみで従来の毒性試験法に適用可能なウェアラブルパルスオキシメーターを開発し、覚醒化非拘束ラットへの化学物質経口投与による脈拍数、血中酸素飽和度、呼吸数を連続定量データとしてとらえることに成功している。本研究では、新たに心電計、体温計、加速度センサを加えたマルチバイタルサイン測定デバイスを開発するとともに、機械学習を用いた一般状態の自動判別システムなど、呼吸、循環器、神経に対する毒性評価技術の形式化に挑む。また、DXにより毒性評価技術を安価簡便な形式として一般化し、アカデミア創薬研究者など幅広い研究領域に毒性学を浸透させることで、新たな毒性学の創出基盤を担う。 本年度は、市販の動物用パルスオキシメーターを用いて麻酔下において、独自開発したパルスオキシメーターのキャリブレーションを行った。また、3軸加速度+3軸角速度の6軸慣性センサを用いて、薬剤誘発性の痙攣を検出するための機械学習を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
パルスオキシメーターのキャリブレーションを行うと共に、一般状態解析技術の開発など計画通りに研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、覚醒下におけるSpO2計測の精度及び時間分解能の向上を目指す。また、活動量・一般状態解析技術を開発する。活動量は加速度データをテレメトリー法と突合させ、精度を確認する。一般状態の解析として、まずは引き続き薬剤誘発性の痙攣の自動検出法を検討する。さらに、パルスオキシメーター、体温計、6軸完成センサの統合によるマルチバイタル測定デバイスの開発を進める。
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