研究課題/領域番号 |
23K17488
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 誠慈 京都大学, 人と社会の未来研究院, 教授 (80614114)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ブッダボット / 仏教AI / 仏教AR / テラ・プラットフォームAR Ver1.0 / テラバース / 仏教 / メタバース / AI |
研究開始時の研究の概要 |
近年、一般社会のみならず宗教界においても、寺院等の維持コストや過疎地の檀家流出の問題など、物理空間ゆえの課題を多数抱えている。サイバー空間の活用は、物理空間的制約を解消し、大きな利益と持続的発展をもたらす可能性が高いが、宗教分野、特に仏教(学)界において、サイバー空間や人工知能(AI)の活用は極めて少ない。そこで、本課題では、研究代表者が開発してきた仏教対話AI「ブッダボット」や、拡張現実(AR)技術「テラ・プラットフォームAR Ver.1.0」、仏教版メタバース「テラバース」の精度を更に高度化するとともに、モニター実験や有識者との議論を通じた悪用・誤用リスクの分析と対処法について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、「仏教×最先端テクノロジー」の成果の社会実装に向けた「萌芽的な挑戦」として、ブータン王国中央僧院の学僧に直接開発に参画してもらい、研究者単独ではない市民参画型での研究開発を推進した。上記の萌芽的挑戦を達成するために、以下の3つの側面で研究開発を推進した。 ①チャットボットのプログラミング及びプロンプト精度の向上:2022年11月に登場したChatGPT3.5(及びその後に登場したChatGPT4)により、チャットボットの性能は大幅に向上した。熊谷と株式会社テラバースが2021年に公表した旧型ブッダボットは、非生成系AIチャットボットであったが、旧型ブッダボットにChatGPT4を融合して大幅に回答精度を高めた「ブッダボットプラス」を開発し、2023年7月に公表した。 ②チャットボットの複数化・多様化:本研究課題開始前には、仏教経典を学習させたブッダボット(ゴータマブッダのボット)1体しか存在しておらず、チャットボットからの回答の多様性に課題があったが、R5年と中に、世親(4世紀)のテキストを学習させた「世親菩薩ボット」、親鸞(1173-1263)のテキストを学習させた「親鸞ボット」を開発し、2023年9月に公表し、より多様な仏教コミュニケーションを実現した。 ③モニター実験や有識者との議論を通じた悪用・誤用リスクの分析と対処法の向上:ブータン王国の中央僧院の学僧や、ブータン人の研究者たちと、ブッダボットのブータン国内への応用可能性について、そのメリットとデメリットも含めて複数回の協議を行った。また、ブータン国内への実装のためのスケジュールなどのプランニングを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2022年11月に登場したChatGPT3.5(及びその後に登場したChatGPT4)により、チャットボットの性能が大幅に向上した。その恩恵を受ける形で、非生成系の対話AI「ブッダボット」にChatGPT4を融合して、大幅に回答精度を高めた「ブッダボットプラス」を開発したが、出願時に想定していた質よりはるかに高いチャットボットの質を実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
ブータン王国にブッダボットを応用すべく、ブッダボットの英語版の開発を進める。同ボット英語版を用いて、ブータン人僧侶たちと仏教対話AIの可能性とリスク(ELSI)について議論を進める。
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