研究課題/領域番号 |
23K17492
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小島 立 九州大学, 法学研究院, 教授 (00323626)
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研究分担者 |
清水 剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00334300)
中村 美亜 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20436695)
長津 結一郎 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (00709751)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 文化芸術 / 媒介の場や組織 / 制度設計 / 文化多様性 / 文化専門職 / 自律性 |
研究開始時の研究の概要 |
文化芸術活動の成果として多様な文化的表現が生み出され(「創出」)、世の中に送り出され(「媒介」)、それらを享受できる環境(「文化多様性」)を実現するためには、「文化芸術活動が行われる場や組織」が活力に溢れていなくてはならない。本研究では、文化芸術活動の複数の領域で、文化施設、劇場・音楽堂、アートプロジェクト等の「媒介の場や組織」のあり方が問われていることに鑑み、そのような「媒介の場や組織」が自律性を確保しつつ、社会の多様な構成員の声を汲み取りながら、活力に満ち溢れた文化芸術活動を支えていくための制度設計のあり方を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の採択を受け、2023年度には、リモートの研究会1回と、対面の研究会1回を開催した。本研究のメンバーは、法律学、経営学・経営史、文化政策、芸術社会学と多岐にわたるため、各研究メンバーのこれまでの研究実績と問題関心を踏まえ、本研究の研究対象、研究の具体的な進め方等についてのすり合わせを行った。 本研究が対象とする「文化芸術活動が行われる場や組織」には多様な性格のものが含まれるため、どのような場や組織を具体的なターゲットとするのかということが課題となる。①文化芸術活動における「媒介の場や組織」を担う人材(以下、「文化専門職」という)に「専門性」が求められているものの、それが十分に達成されていない、②文化芸術活動における「媒介の場や組織」を支えるリソース(資源)の調達(とりわけ資金調達)が公的助成に偏っているため、コロナ禍のような状況で適時に多様な資源調達が行えていない、③文化芸術活動における「媒介の場や組織」における文化専門職の「専門性」とリソースの調達の2つに課題が見られるため、多様な表現を保障するための「表現の自由」の確保が難しいという問題関心に鑑み、本研究では、文化芸術への支援を行うに当たり、専門家による助言、審査、事後評価、調査研究等の機能を果たすことが期待されている「アーツカウンシル」を具体的な素材として取り上げ、「アーツカウンシル」が「自律性(autonomy)」を確保しながら、文化芸術支援において有効に機能するためには、社会的にどのような条件が整うことが必要なのか、ということについて検討していくこととなった。 この研究を進めるに当たっては、文化芸術支援の現場で活動している実務家にインタビューを行うことが必要であるという認識から、2024年度前半にそれを実施することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究メンバーの問題関心のすり合わせ、今後の研究対象の確定、研究の進め方の決定等を行うことができているため、研究初年度の進捗としては概ね順調であると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の研究計画を踏まえ、2024年度は、「アーツカウンシル」が有効に機能するために、社会的にどのような条件が整うことが必要なのかということについて検討していくつもりである。具体的には、文化芸術支援の現場で活動している実務家へのヒアリングを行うことを予定している。
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