研究課題/領域番号 |
23K17497
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
高浦 佳代子 近畿大学, 薬学部, 講師 (10747653)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 蘭方 / 近世 / 伝統医薬学 / 緒方洪庵 / 薬史学 / 非破壊分析 / 生薬 |
研究開始時の研究の概要 |
日本で独自の発展を遂げた漢方医学とは別に、海外から移入してきた西洋医学は「蘭方医学」と呼ばれ、使用する薬物も大きく異なっていた。本研究では特に幕末期の蘭方医学に着目し、当時使用されていた薬物類の詳細を明らかにすることを目的とする。蘭方医学では生薬そのものでなく、製剤化された薬物も多く使用されていたが、その作成方法を調査・再現するとともに、貴重な当時の資料の調査に不可欠な非破壊分析法の開発にもつなげる。
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研究実績の概要 |
本検討では、漢方医薬学に比べて体系的な検証が行われてこなかった蘭方医学について、実際に使用されていた薬物や製剤についてその実態を明らかにすることで、新たな創薬シーズや薬物理論の発見につながる知見を得ることを目的としている。
まずは近世に行われていた蘭方医療の実態を明らかにするため、蘭方医療に関する資料調査を行った。端緒として、幕末の蘭方医である緒方洪庵の使用薬物に関して、彼が主宰していた適塾で塾生の指導に用いたとされる処方集である「適々斎薬室膠柱方」の詳細な検証を行った。当該史料は版本ではないため写本の調査から開始したが、複数の内容の異なる写本があったため、それぞれの詳細について検証した。今回の調査では、既知の4写本を含む計9写本を調査し、史料の構成や収載されている処方について比較を行った。特に、処方については写本間での差が大きかったため、その内容を数値化してクラスタ解析に供することにより、写本間の類似性を統計学的に可視化することができた。また、蘭方医療で使用されていた生薬についても検証を行うため、標本の調査も並行して行った。研究代表者の所属する近畿大学ではペニック社の生薬標本を所蔵しているが、当該標本の詳細については知られていない。同様のペニック社の生薬標本が武田薬品工業株式会社の京都薬用植物園に所蔵されているため、その詳細を調査し、構成生薬の種類、数などを近畿大学所蔵分との比較を行った。今後、これら標本の背景についてもさらに調査を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在のところ一部の文献資料と標本資料の調査を行ってはいるが、予定していた資料や標本の全てを調査できたわけではなく、次年度以降も継続した検討が必要である。また、当初は初年度のうちにある程度、二年目以降に行う予定の科学的検討の予備検討を行い、条件設定などをする予定であったが、まだその段階に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は文献資料の調査を進めるとともに、主に剤型に関する知見を蒐集し、実際の剤型の作成手法などを検証する予定である。この検証結果を、令和7年度にかけて行う科学的検証につなげる。また、令和6年度には国際学会にも参加を予定している。特に標本資料については現在は国内資料の調査に留まっているが、国際学会で他の国での情報を蒐集し、より多くの資料について調査を行うことで、データをより充実させたいと考えている。
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