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遺伝系統樹と言語系統樹の矛盾を検討する

研究課題

研究課題/領域番号 23K17503
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分2:文学、言語学およびその関連分野
研究機関琉球大学

研究代表者

松波 雅俊  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60632635)

研究分担者 麻生 玲子  名桜大学, 国際学部, 准教授 (20810667)
CELIK KENAN  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 特任助教 (70825596)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード琉球諸語 / 琉球列島 / 歴史言語学 / 集団遺伝 / 系統樹 / 分子進化 / 文理融合 / 系統ネットワーク
研究開始時の研究の概要

宮古諸島における遺伝解析では、宮古諸島出身者は、池間/伊良部島・宮古島北東部・同南西部の3つの集団に分類され、池間/伊良部集団はグスク時代(約1,000年前)の外部からの移住に由来し、宮古島集団は、琉球王朝時代前後(約400年前)に沖縄島集団と分化したと推定されている。しかし、この結果は同琉球列島で話され、日琉諸語の一語派を成す琉球諸語が大きく南琉球諸語と北琉球諸語に分類されるというこれまでの言語学の仮説と矛盾する。本研究では言語学者と遺伝学者が協働し、適切な同源語のリストを作成し、系統に由来する変化とそれ以外の変化を定量的に評価することで、言語系統と遺伝系統の矛盾が生じる原因を検討する。

研究実績の概要

宮古諸島における遺伝解析では、宮古諸島出身者は、池間/伊良部島・宮古島北東部・同南西部の3つの集団に分類され、池間/伊良部集団はグスク時代(約1,000年前)の外部からの移住に由来し、宮古島集団は、琉球王朝時代前後(約400年前)に沖縄島集団と分化したと推定されている。しかし、この結果は同琉球列島で話され、日琉諸語の一語派を成す琉球諸語が大きく南琉球諸語と北琉球諸語に分類されるというこれまでの言語学の仮説と矛盾する。本研究では言語学者と遺伝学者が協働し、適切な同源語のリストを作成し、系統に由来する変化とそれ以外の変化を定量的に評価することで、言語系統と遺伝系統の矛盾が生じる原因を検討することを目的としている。
言語系統樹と遺伝系統樹の結果が一致しない原因は、これまで言語系統樹の作成の際に、参照されているデータの量が少なかった上に系統を反映しない変化を含んでいる可能性が高い。したがって、十分な量の適切な同源語を定義し、その中で系統に由来する変化のみを抽出し、言語系統樹を描けば遺伝系統樹と一致するはずである。本課題では、この仮説の元で同源語データベースの作成、 同源語の変化の分類、 多変量解析による言語系統樹の作成とその妥当性の検討の流れで研究を進める。系統に由来する変化だけを抽出した言語系統樹と遺伝系統樹が一致しない場合は問題点を検討し、より最適な解析方法を探る。
本年度はこの目的のための基礎データとして言語データの収集と整理、パイロット研究として収集したデータの基礎解析を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、言語データの収集と整理を中心に研究を進めた。琉球列島41地点(宮古諸島:15地点、八重山諸島:12地点、その他:14地点)で文献調査及び聞き取り調査による言語データの収集を実施した。これらを整理し、217の基礎概念(「頭」「笑う」「大きい」など)に対して同源語の有無を数値化し、このデータに基づき系統ネットワークを作成した。
言語データの収集は順調であり、今後さらにデータの蓄積とそれを用いた詳細な解析を進める。

今後の研究の推進方策

パイロット研究として実施した言語データの系統解析では、妥当な結果を得ている。今後はさらに言語データを拡充する。また、系統に由来する言語変化と接触に由来する言語変化を分類し多変量解析をおこなうことで、両者のあいだにどのような違いがあり、それが言語系統推定にどのような影響を与えているかを明らかにすることを目指す。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 南琉球八重山語小浜方言の三型アクセント体系2024

    • 著者名/発表者名
      セリック ケナン, 麻生 玲子
    • 雑誌名

      音声研究

      巻: 28 ページ: 1-16

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 南琉球八重山語における三型アクセント体系のさらなる報告2024

    • 著者名/発表者名
      セリック ケナン, 麻生 玲子
    • 雑誌名

      国立国語研論集

      巻: 27

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 調査速報:八重山語竹富方言の三型アクセント体系2024

    • 著者名/発表者名
      セリック・ケナン
    • 学会等名
      第266回 NINJALサロン
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 南琉球八重山語黒島方言の単純名詞のアクセント型の数は2か3か2024

    • 著者名/発表者名
      五十嵐陽介、荻野千砂子、セリック・ケナン
    • 学会等名
      科研費「消滅危機方言のプロソディーに関する実証的・理論的研究と音声データベースの構築」成果発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 川平方言会話集2024

    • 著者名/発表者名
      川平老人クラブ寿会, セリック ケナン, 麻生 玲子
    • 総ページ数
      45
    • 出版者
      国立国語研究所
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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