研究課題
挑戦的研究(萌芽)
洪水や水害の頻発化・広域化・激甚化は世界的な問題として注目されている。日本でも想定最大規模の降雨(1000年に1 回程度)によって洪水が発生した際の浸水想定区域図が公表されるようになった。一部の谷底平野では、低地のみでなく、段丘上でも大きな浸水深となることが予測されているが、こうした巨大洪水が観測記録以前に発生していたかについてはほとんど検証されていない。谷底平野の堆積物は、河床に堆積した砂礫層とそれを被覆する泥層で構成されることが多い。後者は浸水にともなって堆積してきたと考えられる。本研究ではこの泥質堆積物に着目し、地形分類や堆積物分析にもとづいて長期間の洪水・浸水履歴の解明を試みる。