研究課題/領域番号 |
23K17526
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
高尾 賢一郎 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (20785480)
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研究分担者 |
近藤 洋平 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20634140)
宇田川 彩 東京理科大学, 教養教育研究院葛飾キャンパス教養部, 講師 (20814031)
天野 優 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (20971708)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | イスラエル / 移住 / 異教徒 / 観光 / 暦 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、湾岸協力理事会(GCC)各国では政府が寛容・共生の実現を掲げ、イスラーム以外の宗教コミュニティへの関心が高まっている。本研究はこのことに着目し、寛容・共生論を現代イスラーム社会の文脈から展開する。イスラームの寛容・共生論の多くは西洋中心主義への応答であり、イスラーム社会固有の発展や課題に基づいた理論的発展が進んでいない。本研究が扱うGCCの寛容・共生論は、現地社会に固有の政治・社会議題を反映し、その分析には既存の西洋の議論では収まらない多角的な視点と手法が求められる。これに取り組むことで、本研究は今日のイスラーム社会に根ざした新たな寛容・共生の設計図を提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度となる2023年度は、合計3回の研究会合(対面1回@東京、オンライン2回)を実施した。この過程で、メンバーは各自の専門に鑑み、GCC諸国の政治・経済・社会情勢、ユダヤ人コミュニティの現地調査に際しての必要な概念及びアプローチ、イラク系ユダヤ人の湾岸諸国への移住の歴史、イスラーム思想におけるユダヤ教徒の位置づけ及びGCCのイスラーム思想の特徴について、それぞれの基本情報と最新の動向を整理した上で報告し合い、これをメンバー間で共有した。 以上に加え、2024年度に行うUAEとバーレーンでの現地調査に関する大まかなスケジュール、内容、必要な事前準備、現地コンタクトパーソンと事前のアポイントメント取得等について確認した。これを受けて、2023年度は実施に至らなかった現地調査を、2024年度は滞りなく実施できる目途が立った他、日本国内のユダヤ教徒コミュニティ(東京、神戸、京都、長崎等)についても、参照項として調査の対象とする計画を立てるといった、アプローチ面での展開も見られた。 これに加え、研究会合では2025年以降の研究成果報告の予定について検討した。具体的には、2025年夏にアブダビで開催される世界中東学会(The World Congress for Middle Eastern Studies)第6回大会等の国際学会でのパネル報告を中心に、特集論文の投稿先として適切と思われる媒体についても確認した。 以上の準備作業を研究会合を通じて行ったことで、2024年度以降、本研究課題の活動はすぐれて順調に進むことが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は2023年度にUAE・バーレーンでの現地調査を行う予定であったところ、入念な事前の情報収集及び関心共有の必要性、また2023年10月以降のガザ戦争勃発を受けた現地情勢の注視の必要性に鑑み、右調査を延期した。このため、当初の予定より現状は「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はUAE・バーレーンでの調査を実施する(予算上、可能であれば2回の調査実施も検討する)。これを通じて、現地ユダヤ教徒コミュニティの宗教実践と、コミュニティ外との関わりについて整理する。
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