研究課題/領域番号 |
23K17537
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分5:法学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
得津 晶 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (30376389)
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研究分担者 |
星 明男 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (10334294)
西岡 晋 東北大学, 法学研究科, 教授 (20506919)
松中 学 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20518039)
飯田 秀総 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (80436500)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / 立法学 / 政治学 / 会社法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は会社法・コーポレートガバナンス(以下、CG)に関する様々な法制度改革の「舞台裏」、すなわち各法制度(会社法、金融商品取引法、コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップコードなど)の立法・立案に携わるアクターがどのような行動をしたのか、そしてどのようなインセンティブに基づいていたのかをインタビュー、アンケート等の実証的な研究手法で明らかにする試みである。
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研究実績の概要 |
本研究には定性的なアプローチとしての①インタビューと定量的なアプローチとしての②アンケートとがあり、2023年度は①インタビュー調査の実施に向けた準備を行った。 まず、インタビュー、アンケート双方の基礎となる立法者のインセンティブについての理論モデルの整理を行った。会社法・コーポレートガバナンス改革に関する政治学ないし政治経済学の文献を渉猟し、利益団体間の連携、社会民主主義的政治体制、政党の役割などの理論モデルを獲得した。さらに、これらを日本に当てはめた場合に、政党ないし中心的な政治家の役割に着目するモデルと、アイデアの役割に着目するモデルとを学んだ。 これらのモデルが現実の立法者に妥当するかどうか、修正の必要性はないかを確認するためにインタビューを実施する準備を行った。現在、インタビュー調査の対象として、コーポレートガバナンスや資本市場法制を担当する金融庁において法案の作成を担当する企画市場局の職員とのアポイントメントをとることに成功した。これに対して、法務省は弁護士等からの出向職員に対して法務省勤務経験を明示して業務をすることに対して制約している様であり、どのような形であればインタビューが可能であるか検討中である。正式に法務省を通じた連携研究とするか、あるいは、現在の制約の下でも可能となるようなインタビューの形(匿名のまま実施するなど)を模索するか、現在検討中である。 アンケート手法については官僚へのアンケート経験のある研究者のアドバイスを仰ぐ予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では定性的なアプローチとしての①インタビューと定量的なアプローチとしての②アンケートによって、研究目的の達成を図るものであり、2023年度は①インタビュー調査を実施する予定であった。 しかしながら、2023年度は、インタビュー、アンケート双方の基礎となる立法者のインセンティブについての理論モデルの整理を行うにとどまり、実際のインタビューは実施できなかった。現在、インタビュー調査の対象として、コーポレートガバナンスや資本市場法制を担当する金融庁において法案の作成を担当する企画市場局の職員とのアポイントメントをとることに成功しているものの、まだなお、インタビューを実施できていない。また、より上位の政策決定者、さらに政治家に対する調査についても現在、アポイントメント取りを探っている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度にはアンケート調査を実施する。官僚のインセンティブのアンケート調査については近時、北村亘編『現代官僚制の解剖』(2022)が公表され、またその前進として村松岐夫らによる3回の「行政エリート調査」(1976-77、1985-86、2002-03)、青木栄一編著『文部科学省の解剖』(2019)がある。質問項目についてはこれらの質問項目を参考にしつつも、従来の理論モデルや前年のインタビュー調査の結果修正した理論モデルの内容を組み込んだ質問項目を入れることを試みる。
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