研究課題/領域番号 |
23K17539
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分5:法学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新井 誠 広島大学, 人間社会科学研究科(法), 教授 (20336415)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ルッキズム / 憲法 / 法学 / 外見差別 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、従前の憲法学における平等原則を中心とする憲法解釈の理解を出発点として、ルッキズム(外見差別)がいかなる憲法上の問題を引き起こすのか探る。同時に、これまでの憲法解釈論で拾いきれない問題があるとすれば、どのような点となるのか確認する。そして、人々の自由とのバランスをはかりつつ、ルッキズムに起因する「不合理な差別」が生じた場合の司法的救済の手法を探求する。また、統治機構論との関連では、たとえば選挙におけるルッキズムの影響などをふまえたその制度的統制の可能性についても考えたい。そうした検討を経て、憲法学的観点からのルッキズムへの向き合い方について、人々に提示していきたい。
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研究実績の概要 |
本研究課題の採択後、本研究課題に関する書籍など購入すると同時に、現在進行中の議論を確認するためにインターネットなどの情報を中心に、ルッキズムをめぐる法的議論やその他の関連領域における議論の状況調査をした。また、他の研究者に対して本件問題に関する興味関心などについて、ことあるごとに聴取することを心がけた。一方で、本研究課題での科研費を取得する以前に執筆したルッキズムに関する論文を基盤としながらも本研究課題採択後の2023年度に実施した調査研究内容を踏まえて、「ルッキズムと法」と題する内容で、広く全国の市民に向けてテレビで話をする機会を得た(2023年12月)。また、とりわけマスコミ関係者におけるルッキズムのあり方について意識して執筆した文章(「憲法から考えるルッキズム」)が、オンラインで公開された(2024年3月)。 これらの作業を通じて、ルッキズムを憲法学、あるいは法学の視点からどのようにこの問題をとらえるべきかという基本的スタンスを確認できた。具体的には、①ルッキズムが抱える法的問題としては、(顔の好みを理由として応援する芸能人を決めるといった場面などに見られるように)人を外見で判断をするようなこと自体がただちに差別になるというよりも、本来であるならば外見だけで判断するべきではないものについて外見が必要以上に判断の考慮要素となっていることに何らかの法的問題が生じることを特に検証し、その統制方法を考えることになるのではないか、②ルッキズムは性別などにかかわらず起こり得ることから、そのことを踏まえた法的検証が必要ではないか、といったことを一定程度、確認できたと思っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度には、テレビ番組を通じて人々に対して一定の問題意識を発信したり、ルッキズムに関する文章をオンラインで公開したりするなど、本研究課題に関わる一定の社会的発信ができた。また、(研究者を含む)複数の人々に対してルッキズムへの関心などについて聞いたりするなどして、本問題をめぐる問題意識を共有する場面を、わずかであるものの持つことができた。もっとも、よりしっかりと計画を立てたインタビューや資料調査の機会を設けることが叶わなかった。また、総論的な検討は進んだところもあったが、より各論的な検討が進んでいないこともある。そこで「やや遅れている。」を選ぶこととした。
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今後の研究の推進方策 |
実際の研究活動として、2023年度の段階でも他分野の研究者などへのインタビュー調査をすることを予定していたが、これらがきちんと実行できていないことから、2024年度にはこれを実施する努力をしたい。また、これまでの研究では、基本的な調査研究に留まり、総論的な部分の検討しかできなかったところがあるので、これらをさらに進め、より各論的な部分へと調査・研究を進めていきたい。具体的には、ルッキズムが法との接点を持つ各場面を、より詳細に想定し、それぞれの場面において、いかなる法的問題が生じるのか、また、これらに対応するため、いかなる法理論・法政策が求められるのかといったことの考察である。これらを着々と行ったうえで、ある程度進んだ段階で論文執筆活動を行っていき、うまくいった場合には、適宜、研究成果の公表を進めていくことを考えている。
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