研究課題/領域番号 |
23K17553
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
菊池 淳一 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任講師 (10961633)
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研究分担者 |
中園 善行 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (10707483)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | データの計測誤差 / 消費 / 期待形成 / 計測誤差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、データの計測誤差が分析結果にバイアスを与えている可能性を指摘し、既存研究を再検証することである。データに基づく証拠は重要であるが、データが常に現実を正しく映すとは限らない。実感と研究結果の乖離が生じる大きな理由は、計測誤差にある。計測誤差が大きいデータを用いた分析では、因果効果や相関関係がゼロに近づくという現象(希釈効果、アテニュエーション・バイアス)が生じる。希釈効果は、「あるはずのものを存在しないことにする」という意味で、エビデンス重視の時代において深刻な危険性がある。本研究は、計測誤差を極小化する計測手法や分析手法を用いながら、計測誤差を多く含む研究結果の再検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、データの計測誤差が分析結果にバイアスを与えている可能性を指摘し、既存研究を再検証することである。データに基づく証拠は重要であるが、データが常に現実を正しく映すとは限らない。実感と研究結果の乖離が生じる大きな理由は、計測誤差にある。計測誤差が大きいデータを用いた分析では、因果効果や相関関係がゼロに近づくという現象(希釈効果)が生じる。本研究は、計測誤差を極小化する計測手法や分析手法を用いながら、計測誤差を多く含む研究結果の再検証を行う。特に消費者に関する既存研究に焦点を当て、過去に推定された経済学的に重要なパラメータの再推定や、消費理論の実証分析を再検証する。具体的には、異時点間の代替の弾力性の推定、効用関数の形を決めるパラメータ(リスク回避度)の推定、限界消費性向の推定、家計消費の動学理論の検証を行う。 令和5年度は、民間調査会社の消費に関するビックデータとアンケート調査を接続したデータを用いて、異時点間の代替の弾力性の再推定を行った。推定の際には、データの測定時に生じる測定誤差や、欠落変数の影響で生じる推定の誤差を考慮した手法を採用している。分析の結果、異時点間の代替の弾力性は既存研究が示してきた値よりも大きく、具体的には0とは有意に異なり、1とは有意に異ならず、1を超える場合もあることが明らかになった。これらの分析の結果をまとめ、国際誌に投稿を行った。採択はされなかったものの、査読者からのコメントをもとに論文の改訂を進めている。また、本年度は調査会社を通したアンケート調査も実施した。調査内容は、家計の物価見通しである。調査には、ランダム化比較実験の設計を含めており、家計が内生的に情報を収集することの影響を分析することができる設計になっている。収集したデータをもとに初期分析を行っており、次年度以降に学会及び国際誌への投稿を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、民間調査会社のビックデータを利用し、異時点間の代替の弾力性の再推定を行い、論文を投稿した。結果として採択はされなかったが、査読者のコメントをもとに改訂作業を進めている。また、民間調査会社を通したアンケート調査を実施した。収集したデータをもとに初期分析を行っている。研究課題の当初の計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの分析内容を踏まえ、分析と論文改訂を進める。異時点間の代替の弾力性を再推定する研究は、令和5年度に国際誌に投稿した際に得られた査読者のコメントを論文に反映するべく分析と改訂を進める。具体的には、推定の誤差を小さくすべく採用している操作変数法で使用している操作変数の改良と、採用した操作変数の納得感が増すような文章への改訂を行い、国際誌への投稿を行う。 令和5年度に実施したアンケート調査のデータをもとに、家計の内生的情報選択と期待形成の関係性を分析する研究は、まず初期分析の結果をまとめ、学会での報告を行う。初期分析では、内生的に情報を選択した消費者は、外生的に情報を与えられた消費者と比較して、形成するインフレ期待への情報の影響が大きいことが明らかになっている。学会で報告を行った後に、学会でのコメントをもとに改訂を行い、国際誌への投稿を行う。また並行して、家計の異質性にも踏み込んだ分析を行うことで、さらに研究を拡張していく予定である。
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