研究課題/領域番号 |
23K17562
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
上田 晃三 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30708558)
|
研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 消費 / 限界消費性向 / 現金需要 / 流動性制約 / 銀行取引データ / 家計の消費・貯蓄行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、家計の消費・貯蓄行動をこれまでとは大きく異なるデータを使って分析する。用いるのは、①ある大手邦銀に口座をもつすべての利用者の取引データと、②その銀行利用者に対して行うアンケートのデータである。アンケートでは、個人の特性について、リスク回避度、時間選好率、インフレ期待、流動性資産や住宅ローンの有無など標準的な項目を聴取する。本分析の最大の特徴は、アンケート結果と個人の実際の金融行動を紐づけて分析することである。
|
研究実績の概要 |
本研究では、家計の消費・貯蓄行動をこれまでとは大きく異なるデータを使って分析する。用いるのは、①ある大手邦銀に口座をもつすべての利用者の取引データと、②その銀行利用者に対して行うアンケートのデータである。 本分析の最大の特徴は、アンケート結果と個人の実際の金融行動を紐づけて分析することである。。銀行取引データを用いることで、(1) アンケート実施後だけでなくその前における、(2) 現金引出額や引出頻度、総支出額、総入金額などの実際の行動が観察可能となる。 アンケートでは、個人の特性について、リスク回避度、時間選好率、インフレ期待、流動性資産や住宅ローンの有無など標準的な項目を聴取する。また、ランダム化実験(RCT)も行う。そこでは、インフレ期待についてのアンケート項目を対象者毎にランダムに割り振り、アンケート実施に伴う回答者の消費・貯蓄行動の変化を分析する。 これまでに、銀行取引データを使って、1本の刊行論文、2本のワーキングペーパーを発表したほか、2本の論文が公表間近で、さらに並行して複数の分析も進んでいる。 研究の具体的な内容は、銀行支店統廃合による銀行利用者の現金引き出しなどの行動の変化をみたもの、コロナ禍の特別給付金や賞与受取に伴う消費の変化、および、その変化が個人の特性(アンケートを通して得られたリスク回避度、時間選好率などの指標)にどのように依存しているのかをみたもの、キャッシュレス支出が消費を刺激するのかみたものなど多岐にわたる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画以上に研究は進展している。これまでに、銀行取引データを使って、1本の刊行論文、2本のワーキングペーパーを発表したほか、2本の論文が公表間近で、さらに並行して複数の分析も進んでいる。 当該年度の末には、ランダム化実験(RCT)も行った。そこでは、インフレ期待についてのアンケート項目を対象者毎にランダムに割り振り、アンケート実施に伴う回答者の消費・貯蓄行動の変化を分析することを試みた。今後、アンケート回答者の取引データがそろったところで、分析に着手する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
進行中のプロジェクトの完成を目指す。既存分析のリバイスや、新しいデータの分析と論文執筆、そして、学会などでの発表に注力する。そのうえで、研究費と研究時間に余裕があれば第3回目のアンケートを実施したい。 研究計画のうち重要な一つは、当該年度末に実施した第2回のアンケートの結果の分析である。アンケート回答者の取引データがそろったところで、RCTでランダムに割り振られたグループごとに、インフレ期待の回答に違いがあるか、そして、消費や貯蓄行動に違いが生じているのかを実証分析する。
|