研究課題/領域番号 |
23K17569
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊勢 武史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (00518318)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 深層学習 / データサイエンス / 地域振興 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、単なる来場者数や主観的なアンケートなどで語られるにすぎなかった観光地における来訪者に関する情報を深層学習AIで定量取得し、来訪者が受けた印象とその効果を推定する。表情認識(Deep Facial Expression Recognition)および人物トラッキング(pedestrian tracking)が用いられる手法の一例である。
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研究実績の概要 |
本研究は、従来、単なる来場者数や主観的なアンケートなどで語られるにすぎなかった観光地における来訪者に関する情報を深層学習AIで定量取得し、来訪者が受けた印象とその効果を推定するものであり、表情認識(Deep Facial Expression Recognition)および人物トラッキング(pedestrian tracking)が用いられる手法の一例である。
日本の各地域には、長く特徴的な歴史と多彩な自然風土に由来する文化と観光資源がある。これら各地域固有の魅力を客観的に認識し活用するために情報科学を用いる点が本研究の挑戦性である。従来、観光資源の価値や満足度調査はアンケートや聞き取りなどが中心であったが、それらは主観的であり、調査者のバイアスや来訪者の忖度の影響を受け、通り一遍の結果をもたらす「出来レース」になりがちだった。本研究では、地域観光資源が来訪者に与える効果を、情報科学技術を用いて定量測定する。従来、単なる来場者数や主観的なアンケートなどで語られるにすぎなかった情報を、深層学習AIで定量取得し、来訪者が受けた印象とその効果を推定する。データ取得と解析が自動化されることで、従来の手法では非現実的だった長期モニタリングや、同一基準にもとづく多地点間の比較が可能となり、観光資源がもたらす滞在と感動を定量化できる。
初年度である本年度は、基礎となるAI技術の実装を進めた。その結果、表情認識AIモデルを用いた、野外での感情推定が実現するにいたった。京都大学在学生複数名を被験者とし、野外でのレクリエーション活動中の表情を静止画または動画として撮影し、深層学習による表情認識ライブラリ「py-feat」により、anger・disgust・fear・happiness・sadness・surprise・neutralの各感情の相対構成割合を定量化することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題のコアとなるAI技術を理解し、コンピュータプログラムとして実装し、その挙動を確認し、結果を可視化するという一連の作業が終了した。さらに、被験者の野外における表情を取得して感情の定量化を行うことに成功した。これは申請時の計画通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
初年度は、AIモデルの実装と、初期段階における実証実験が進んだ。今後はこのAIモデルを用いて、地域振興のための知見を得るための実験を行っていく。具体的には、特定の施設における来場者のデータを取得し、「どんな行動がどんな感情を惹起したか」という関係性を、AIモデルで定量化する。これにより、客観データに基づく地域振興のための提言が可能になる。
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