研究課題/領域番号 |
23K17570
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
村山 留美子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20280761)
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研究分担者 |
Escolar EmersonGaw 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (20850499)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | リスク認知 / 可視化 |
研究開始時の研究の概要 |
現代のリスク社会において,市民のリスク認知の構造を明らかにし,それに応じた対策を行うことはリスク管理の側面から極めて重要である。しかし人のリスクの認知の高次元で複雑な構造の全体像は十分には明らかになっていない。そこで本研究は,人のリスク事象に対する認知についての社会調査のデータを用い,人のリスク認知の変化を追うことでその構造の現状を計るとともに,それらのデータについて位相的な解析が可能な数学的手法の検討を行うことで,リスク認知に関わる要素のあり方の特徴を捉え,高次元で複雑なデータの本質的なかたちを可視化し,新たに得られる観点からリスク認知構造の解釈を可能にすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は人のリスク事象に対する認知についての社会調査のデータを用い,人のリスク認知の変化を追うことでその構造の現状を計るとともに,それらのデータについて位相的な解析が可能な数学的手法の検討を行うことで,リスク認知に関わる要素のあり方の特徴を捉え,高次元で複雑なデータの本質的なかたちを可視化し,新たに得られる観点からリスク認知構造の解釈を可能にすることを目指すものである。 当該年度は,1998~2024年に定期的に行ってきたリスク事象に対する各種認知についての日本全国の成人を対象とした社会調査データを,人の主観的なリスク認知の可視化に用いるために必要な形に整理するとともに,複数のリスク事象に関する現在の日本人の持つ認知の基本的な構造について,これまでの研究で用いられてきたPsychometric Paradigmを中心とした従来の手法について検討することにより,カテゴリデータに対する数学的手法の適用に関わる条件について明らかにした。これにより,可視化する必要のある複数の要素やその関係性を示す数学的手法について一定程度明らかにし,さらに実際の解析に必要な具体的な条件や手法検討に着手した。また簡易的に行った検討結果について学術学会にて発表し,様々な分野の有識者と議論を行うことで,可視化に必要な条件などについて,新たな知見を獲得した。これらの成果は,リスク管理に必要な市民の主観的なリスク認知に関わる様々な要因の構造の新たな可視化のための手法作成と適切な可視化に対し,重要な基礎的データの蓄積である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな手法開発のために必要なデータの整理を終えるとともに,従来の方法を検討し,新たに明らかにすることが可能な認知の要素や,明らかにするための条件設定などについての検討に着手しており,当初予定から鑑み,研究はおおむね順調に進展している。カテゴリデータを用いた社会調査のデータから明らかになる質的な側面と,そのようなカテゴリデータを数的に扱い解析を行う数学的な側面との調整については,学会での有識者との議論も含めて続けていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,これまでに蓄積している調査データに対し,これまでに検討を行った解析方法の適用を行う。これまでの検討により,条件設定に多くの試行が必要であると考えられることから,これらの結果を十分に検討するほか,社会心理学,数学などの分野の研究協力者に助言を求め,質的変数の形式による変化や,その結果の解釈の適切性について十分な知見を得る。さらに,より詳細かつ適切な像を得るために必要な要素を勘案して,必要に応じ新たな項目を設置して調査を実施して知見を補強する。
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