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オンライン型インタビュー調査を,質的研究の手段に根拠づける半構造化面接法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K17572
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分8:社会学およびその関連分野
研究機関大阪公立大学

研究代表者

大西 次郎  大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (20388797)

研究分担者 岡田 進一  大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (20291601)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード質的研究 / 質的調査 / 研究方法 / オンライン / 対面 / 半構造化面接 / インタビュー
研究開始時の研究の概要

従来, 質的研究の多くは対象者へ直接対面するインタビューにより行われてきた. 一方Zoom等のWeb会議システムは, 信頼関係の構築や非言語的メッセージのやりとりに関して対面型に及ばないため, オンライン型と対面型の結果をそのまま比較できない. 解決の鍵は, 対象者が語りやすい半構造化面接のもと, 研究に必要な規格化された回答を導く調査者の面接技術にあると考えられる.
そこで, オンライン型調査と対面型調査の結果に違いをもたらす面接技術を抽出・修正し, 双方を同等に扱える半構造化面接の手法を明らかにする. オンライン型が対面型のオルタナティブとして真に成立すれば, 質的研究は調査手段の拡張を得て大きく発展する.

研究実績の概要

オンライン型ビデオ会議システムの評価を研究「目的」として対面型コミュニケーションと比較する多くの試みの一方, 社会福祉学領域における質的調査では研究「方法」としてのオンラインの評価を手薄にしたまま, コロナ禍以降, その活用を常態化させつつある. そこで2023年度は, 対面型との比較を念頭に置いたオンライン型の調査結果の分析を行った. その結果, 以下を導いた.
両型が併存する場合, 方法論上の差異がインタビュアーの技術やパーソナリティのぶれの範囲内におさまるか (地域ケアリング 24(11), 102-107) が問われる. よってインタビューガイドを洗練させ, 調査の構造化を強めるという選択肢があってよい. ただし, 信頼関係をもとに, 研究者の想定を超えた回答に出会える質的調査の豊かさは損なわれかねない.
社会福祉学領域では半構造化面接の形を取ることが多く, コロナ禍前後でこの傾向は変わらなかった (地域ケアリング 25(11), 62-66). だがオンライン型では, 半構造化の鍵となる非言語的手がかりのやりとりが難しい. 看護職等に向けた認知症ライフサポート研修のオンライン化 (日本認知症ケア学会誌 22(3), 564-574) からは, 主催者の映像資料に参加者が影響されやすい可能性が認められ, とくにグループインタビューでは場の設定に工夫を要すると考えられる.
また, 一対一の医療ソーシャルワーカー向けZoomインタビュー (社会福祉学 64(1), 46-60) からは, スーパービジョンにおける支持・教育に先んじて管理機能が抽出された. ただし上司・部下の関係性を超えるネットワークも同時に抽出され, オンラインという研究方法を通した, 結果に対する脚色の有無・程度は継続的な検討課題である. 少なくとも対面型とオンライン型の方法論の軽視も, 信頼・能動 (対面)⇔管理・受動 (オンライン) といった即断も早計と思われる. 今後, 両型の比較・橋渡しに資する半構造化面接の要諦につきさらに研究を進めていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績で概要を示した成果は, 科研費の申請に際し提出した計画におおむね沿って, あるいはそこより発展的に獲得され, 3年計画の初年度として所期の目標をほぼ達成し得たものである. 今後さらに, インタビュー調査や学会発表, 論文作成などを継続して進めていく所存である.

今後の研究の推進方策

申請時の計画に沿って, 研究の拡充を目指すことが原則である. さらに, ソーシャルワーカーや看護師といった, インタビュー対象者別の検討などについても視野を広げていく.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 医療ソーシャルワーカーが管理職として行う管理・マネジメントプロセスの解明――勤続年数10年以上の課長に対するインタビュー調査から――2023

    • 著者名/発表者名
      戸石 輝,大西次郎
    • 雑誌名

      社会福祉学

      巻: 64 号: 1 ページ: 46-60

    • DOI

      10.24469/jssw.64.1_46

    • ISSN
      0911-0232, 2424-2608
    • 年月日
      2023-05-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] オンライン型と対面型インタビューの質的調査における実施(選択 / 併用)の概況(第2報) ―コロナ禍以降の『社会福祉学』『ソーシャルワーク学会誌』『ソーシャルワーカー』『保健医療社会福祉研究』『医療と福祉』誌をもとに―2023

    • 著者名/発表者名
      大西次郎
    • 雑誌名

      地域ケアリング

      巻: 25(11) ページ: 62-66

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 対面型認知症ライフサポート研修のオンライン化の試み ―事前・事後の質問紙調査から―2023

    • 著者名/発表者名
      森岡朋子,大西次郎
    • 雑誌名

      日本認知症ケア学会誌

      巻: 22(3) ページ: 564-574

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ホワイトボード機能を用いた認知症ライフサポート研修のオンライン化 ―対面型の従来研修経験者に対する試行から―2023

    • 著者名/発表者名
      森岡朋子,大西次郎
    • 学会等名
      日本認知症ケア学会 第24回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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