研究課題/領域番号 |
23K17581
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
礒田 正美 筑波大学, 人間系, 教授 (70212967)
|
研究分担者 |
岸本 忠之 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (50324025)
小原 豊 学習院大学, 文学部, 教授 (20375455)
松嵜 昭雄 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10533292)
銀島 文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総合研究官 (30293327)
|
研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2024年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 授業研究 / 心拍 / 皮膚電位 / 態度 / 視線 / 問題作り / 数学教育 / 指導と評価 / 授業分析 / 自己評価 / 算数数学教育 |
研究開始時の研究の概要 |
Lesson Study 2.0は、従来型授業記録とAI,Data Science手法を活用し得る工学的データ記録とを融合した授業分析法を指す:現時点では萌芽段階にある。本研究では、日本が推進するStudent Agency(SA)育成への授業研究を、Lesson Study2.0への分析手法とともに提案し、域内研究動向を先導する。SA育成状況を示す自己評価過程を、本人自筆の心情曲線と事後インタビューで示し、その実際を言語プロトコルによる従来型授業記録から質的に解釈し、測定データとしての情動(皮膚電位、心拍)、他者との相互作用にかかる態度(映像:視線、体軸)などにより、その強度変化を特定する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、日本政府(文部科学省)提案APECプロジェをクトを推進する日本側研究開発に挑戦する研究である。日本が推進するStudent Agency(SA)育成への授業研究を研究対象に、未知への挑戦Lesson Study2.0に寄与する分析手法開発し、萌芽的記述手法をAPEC域内に提案し、国際的な研究主題であるSA育成への域内研究動向を先導することを目的とする。 APEC人材養成部門では、大枠では経済開発に寄与する人材育成という主題の下で、ホスト国により年次主題が漸進的に提案される。APEC域内への報告に際しては、その主題に対しても、日本の貢献が一層際立つ内容を生み出すことを目指す。 Lesson Study 2.0は、従来型授業記録とAI,Data Science手法を活用し得る工学的データ記録とを融合した授業分析法を指す。本研究では、日本が推進するStudent Agency(SA)育成への授業研究を、Lesson Study2.0への分析手法とともに提案し、域内研究動向を先導する。SA育成状況を示す自己評価過程を、本人自筆の心情曲線と事後インタビューで示し、その実際を言語プロトコルによる従来型授業記録から質的に解釈し、測定データとしての情動(皮膚電位、心拍)、他者との相互作用にかかる態度(映像:視線、体軸)などにより、その強度変化を特定する。特にLesson Study 2.0に対して、本研究が行うことは、情動の強度変化、態度変化を、従来型授業記録から質的に解釈することまでである。AI, Data Scienceによる工学的データサイエンスとの融合は、本研究とは別に行うものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、日本が推進するStudent Agency育成への授業研究を、Lesson Study2.0への分析手法とともに提案し、域内研究動向を先導する。Student Agency育成状況を示す自己評価過程を、本人自筆の心情曲線と事後インタビューで示し、その実際を言語プロトコルによる従来型授業記録から質的に解釈し、測定データとしての情動(皮膚電位、心拍)、他者との相互作用にかかる態度(映像:視線、体軸)などにより、その強度変化を特定する作業を行う。過年度の代表者による研究では、プロトコル及びインタビュー、心情曲線の変化と心拍変化が一致することは確認できていた。それに対して、1年次の研究では、教師、他者との相互作用及びインタビュー、心情曲線解釈に際して、実際にいかなる瞬間的イベントがどれほど本人の情動に影響するかを、心拍に加えて、皮膚電位指標であるEDAデータに焦点を当てて検討した。そこでは、特に「Tonic Component+Phasic Compornent」と「Phasic Compornent」のみとの指標としての有効性を比較検討した。「Phasic Compornent」をSkin Conductance Responseの強度とみた場合に、Skin Conductance Responseのピークが、本人の認知過程における他者との相互作用の強度を象徴する指標とみると、瞬時のイベントの強度が解釈し得ることまで確認できた。そのイベントが誰との相互作用かは、視線、体軸としてのビデオデータの質的解釈で特定できた。
|
今後の研究の推進方策 |
一年次の研究では、前述の成果に加えて、データ分析に時間と作業を要すること、分析すべき授業を絞り込んだ方が分析が深まることがわかってきた。さらに、海外調査及びAPEC域内での会合を実施し、Student Agency育成を狙う本研究において、指導と評価、特に自己評価を通じて生まれるアイデンティティなどが、日本発の研究として先導的であることがわかってきた。2年次は、その点に焦点を当て、さらに分析を深めた投稿論文を準備し、東南アジアを含むAPEC域内を先導する成果を上げることに焦点化していく。
|