研究課題/領域番号 |
23K17586
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
宮城 信 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (20534134)
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研究分担者 |
小磯 花絵 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (30312200)
居關 友里子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (70780500)
小川 亮 富山大学, 教育学部, 名誉教授 (00194465)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 児童の話し合い / 映像付き会話コーパス / 合意形成 / 児童の相互交渉方略 / 話し合いの場での発話の形式 / 児童の会話分析 / 聞き手や仲間への配慮 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、小学校の児童の活動を映像まで含めて公開する。アノテーションを含め十分に整備されたデータを、広く一般に公開することで児童の言語発達研究を促進する。教室という「場」における児童らの方略の発達と選択の情報は少なく、研究者間で共有されていない。これまでの実践記録中心の先行研究から一歩進めて、合意形成の方略の発達と選択という児童らの言語活動を可視化することを目標とした探索的な研究である。
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研究実績の概要 |
本研究では小学校における児童の話し合い活動に着目した。子どもたちの話し合いの特徴を抽出するには、個々の発話をカテゴリー化しタグ付けした上で、意見がどう展開・収束して問題解決に至るのかのプロセス(「合意形成」)に注目することが有効であると考える。本研究では、特に、低中高の各学年に即した言語技術の発達、特に児童相互の合意形成の方略の発達の分析を目指している。 本年度は、児童の話し合いデータを広く収集し、話し合い場面のコーパス化に向けて、以下の通り取り組んだ。調査協力校として、富山大学教育学部附属小学校における児童の話し合い場面を収録し、コーパス構築に取り組んだ。構築中の場面は、国語・算数・道徳・総合・家庭・音楽の授業において児童(原則4名)による話し合い活動を対象に46会話を収録した(国語:19、算数:8、道徳:6、総合:5、家庭:2、音楽:4)。現在の進捗は、収録データの質や公開に伴う問題などの点から6会話(国語:3、総合:1、音楽:2)を選定し、映像・音声の同期作業を行った上で文字化を進めている。試作版を利用することは可能な段階にあるが、限定的な場面に限られる。様々な場面に対応した話し合い活動コーパスは、まだ構築途中であり、引き続き整備を進めている状況である。 コーパスの整備を進めながら、試作版を用いて並行して分析を進めた。これらの試作版と幼稚園で話し合い活動の記録を連続した子ども話し言葉コーパスとして捉え、本年度は論文やシンポジウムでの発表を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、児童の話し合い活動を収録し、コーパス化を進めている。収録は予定以上に進んでいるが、どの場面をコーパス化するかの選定作業に時間を取られている。コーパスの構築に関しては全体の進捗に多少の遅れが生じているが、支障は少ない。本研究のデータを利用した実証的研究については、収集したデータの一部(テキストのみ付いている)を試作版として共同研究者間で共有し、試験的な分析を進めている。分析結果に基づき、シンポジウムでの発表、論文化を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度以降は、引き続き、小学校での収録を進める。データの選定を進める。共有可能になったデータに関しては、共有化を進める。基本的に来年度も試作版による分析を進めることになるが、十分な成果をあげられると考えている。
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