研究課題/領域番号 |
23K17617
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小川 佳万 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90284223)
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研究分担者 |
中坪 史典 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (10259715)
小野寺 香 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (60708353)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 多文化保育 / 保育者 / 教材 / 研修教材 / 幼児アニメ / エスノメソッド |
研究開始時の研究の概要 |
現代日本における多文化保育の理想は、「外国人幼児に対して日本の文化に適応させる保育ではなく、多様性を育むことを大切にする保育」と認識され、就学前教育・保育の指針である「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「認定こども園教育・保育要領」でも、多文化保育を推進するために保育者は子どものもつ文化的背景を理解することが重要であると提唱されている。本研究は、幼児アニメとエスノメソッドを活用した保育者のための研修教材を開発し、保育者の多文化理解を促すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、エスノメソッドを活用した保育者のための研修教材を開発し、保育者の多文化理解を促すことを目的とする。現代日本における多文化保育の理想は、「外国人幼児に対して日本の文化に適応させる保育ではなく、多様性を育むことを大切にする保育」と認識され、就学前教育・保育の指針である「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「認定こども園教育・保育要領」でも、多文化保育を推進するために保育者は子どものもつ文化的背景を理解することが重要であると提唱されている。しかし現実には、保育者が個々人で多様な子どもの文化を理解するのは負担が大きく困難であるため、子どもと繋がりのある国の生活習慣や価値観について、保育者の理解を促進するための研修が必要となる。本研究では、多文化理解に焦点をあてた研修教材の開発を行うことで日本の多文化保育実践の発展へ貢献することを目指す。 本年度は初年度ということで、まずメンバーが一堂に会し、今後の具体的な研究方針と先行研究の検討を行った。次に、最新の研究動向を勉強するために、11月と2月にオンラインで多文化保育セミナーを実施した。これらには研究メンバーだけでなく、関心をもつ研究者や学生も参加して活発な議論を展開することができた。また、多文化保育の現状を理解するため、2023年11月に尼崎市の幼稚園と12月に草津市のこども園、2024年2月に東広島市の幼稚園を訪問して保育士と意見交換を行い、理解を深めた。特に保育士が多文化環境における保育のどこに困難を感じているのかを調査することができたので、今後の研究活動に有益な情報となった。さらに、3月に台湾の幼稚園を3校訪問して、保育士から多文化保育の現状について聞き取り調査を行い、日本との違いを理解できた。こちらも比較の観点から今後の研究活動に有益な情報を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、現状把握と先行研究の検討が主な目的であったが、文献のみならず、専門家からの聞き取りを含んだセミナーや幼稚園訪問が実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、多文化保育の現状把握のため、国内外の幼稚園訪問を継続する予定である。特に海外の多文化保育の状況を理解するため、1月に香港の幼稚園を訪問する予定である。まず、昨年度訪問した幼稚園で収集したデータをもとに学術論文を3本程度執筆する。また、研究方法論に関する研究も進め、論文執筆に取り組む。次にこれまでの訪問調査内容を活かして、多文化保育の研修教材を試行的に作成して検討を重ねる。 令和7年度は、令和6年度に作成した教材を用いて日本国内で2回程度研修を行う。研修の様子はビデオカメラで撮影し、後にそれを分析の対象とする。また、分析結果を保育者とともに検討し教材の改善に反映させる。その後、修正した教材を保育者とともに再度検討を行う。このようにして保育者の助言も参考にしつつ多文化理解の研修教材として汎用性を高めていくとともに、多文化理解の研修におけるアニメやエスノメソッドの活用の可能性を学術論文として執筆することを試みる。
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