研究課題/領域番号 |
23K17618
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
深谷 達史 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (70724227)
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研究分担者 |
岡崎 善弘 岡山大学, 教育学域, 准教授 (00725997)
太田 絵梨子 東京学芸大学, 教育学部, 特任講師(Ⅰ種) (10910036)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 学習の転移 / 認知カウンセリング / 実践的指導力 / PCK / Teacher Noticing / Teacher noticing |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,大学での教員養成をフィールドとし,教職を目指す大学生が,学習につまずきを抱える児童への個別的な学習相談に取り組むことの効果を検証するものである。この相談は,認知心理学の理論に立脚し自立的な学習者の育成を目指す「認知カウンセリング」に基づき行われ,学生は理論と実践を往還しながら活動に取り組む。本研究では,指導経験のない内容・教科や個別指導以外の場面でも活用可能な,児童のつまずきを捉え効果的に働きかける指導力を向上させるかを,知識,思考,行動から多面的に検証する。
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研究実績の概要 |
認知心理学に基づき学習の問題の診断と支援を図る認知カウンセリングに取り組む効果を検証するため,認知カウンセリングを行う実習に参加する教職志望学生を対象に,代表者の研究グループが開発した算数指導における専門的知識であるPedagogical Content Knowledge(PCK; Depaepe et al., 2013)を測定するテストを実施した。認知カウンセリングを行う実習が選択科目であることを利用し,実習を履修した学生と未履修の学生に回答を求めたところ,学習者の誤概念に関する知識などを反映する学習者の知識,効果的な説明に関する知識を反映する説明の知識,いずれのテストにおいても,履修群において高い得点が認められた。さらに,直接的な指導経験の効果を統制するため,PCKテストの内容について児童に教えたことがあると回答したものを除いたとしても,やはり実習履修群においてテスト得点が高くなること(転移効果)が確認された。このことから,認知カウンセリングへの取り組みが,児童の誤概念を予測したり,効果的な説明を行ったりする指導力を向上させることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した通りの計画に基づき研究を進展できているため。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる2024年度では,思考レベルにおける効果検証(研究2)として,実際の授業映像の視聴とコメント記入を求めることで,実習が,個別指導場面に限らず,教師に必要な一斉指導の 場面にも効果をもたらすかを検討する。代表者は大分県教育委員会の協力を得て,既に2つの算数授業の映像を刺激として作成済みである。履修群と非履修群の学生に映像視聴と授業のよかった点,気になった点などのコメントを求め,両者のコメントの量・質を比較する。
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