研究課題/領域番号 |
23K17619
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
安武 公一 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (80263664)
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研究分担者 |
井上 仁 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (70232551)
多川 孝央 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (70304764)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (90231381)
山川 修 福井県立大学, 学術教養センター, 客員研究員 (90230325)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 協調学習 / 学習科学 / 教育工学 / 複雑ネットワーク科学 / 計算社会科学 / コンピュータ・シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は複雑ネットワーク科学の最新の知見を応用して,協調学習を体系的に把握するための理論的基礎を確立することを目的としている.従来の協調学習研究特に理論研究は数理科学の言葉では記述されていないため,相互作用プロセスなど時間依存した現象をうまくとらえることができていない.この問題を克服するために本研究では,ネットワークの,そしてネットワーク上の時間発展をうまく記述できるTemporal Network,Higer-Order Network,Multilayer Networksなど複雑ネットワーク科学の最新の知見を使って協調学習理論の数理モデル化に挑戦する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的はネットワーク科学の知見を使って,(i)創造的協調学習を理論的に支える学 習理論群(「知識創造メタファ」学習理論群)を数理的にモデル化し (ii) 学習の重層的 ・動的構造が生成するデータ群を分析する新しい手法を確立することである.この目的に向かって,研究初年度の2023年度には次の研究実績を積んできた.(i) 2023年7月オーストリア,ウィーン大学で開催されたEdMedia+Innovate Learning2023 で研究成果の一部を発表,(ii) 2023年度7月まで月1回の頻度でエンゲストロームの活動的学習理論に関する研究会を開催,(iii) 2023年8月近畿大学東大阪キャンパスで開催された教育システム情報学会(JSiSE)全国大会プレカンファレンスにおいて「エー ジェンシー育成のための社会情動スキル」に関するワークショップの企画オーガナイザーを担当,(iv) 2023年3月京都大学で開催された大学教育研究フォーラム にて企画セッション「拡張的学習の高等教育への適応の可能性」の話題提供を担当,(v) 研究分担者の山川教授とともに活動的学習理論に関する我が国の第一人者である山住教授と活動的学習理論に関する研究ミーティングを開催した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は大きく2つのフェーズに分けて段階的に実施する予定であった.このうち第1フェーズは主として協調学習理論を数理モデル化するための設計フェーズとし2023年度から2024年度上半期を充てている.しかし2023年度に着手できたのはほぼエンゲストロームの活動的学習理論だけである.これはこの理論が非常に難解であることと,この理論を高等教育に適応した例がほとんどなく(山住教授の指摘による),理論の解明が遅々として進まなかったからである.そのためわれわれは年度末に山住教授に依頼して研究ミーティングを開催し,理論の理解と解明に努めた.エンゲストローム以外の代表的な学習理論にはまだ着手できていない.これが本研究が「やや遅れている」と判断した理由である.
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今後の研究の推進方策 |
今後はまず遅れている,他の代表的な協調学習理論の数理モデル化にも着手する.そこで複雑ネットワーク科学の諸概念との対応関係をとらえることを試みる.それらを準備として2024年度下半期から2025年度を研究の第2フェーズに充てる.ここでは第1フェーズで数理モデルの言葉に翻訳した協調学習理論群をMultilayer Temporal Networks上のシミュレーション・モデルで実装し,仮想実験によるデータ分析を行うことを試みる.シミュレーション・モデルの完成後,仮想実験を実施する.実験の目的は Multilayer Temporal Networks の(あるいはその上の)ダイナミクスが生成するデータを分析する手法を確立することである.この実験で得られる仮想的な学習データ群は,おそらく点過程 (Point Processes)に似た性質を持つと予測される.そこでわれわれは複雑ネットワーク科学の領域でも研究されている点過程の時系列分析手法(点過程の統計推定など)を応用することを計画している.
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