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画像処理における2次元曲線の変形の効率化と等角接合による認証

研究課題

研究課題/領域番号 23K17656
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
研究機関早稲田大学

研究代表者

松崎 克彦  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80222298)

研究分担者 糸 健太郎  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (00324400)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード複素解析 / 双曲幾何 / ローレンツ幾何
研究開始時の研究の概要

普遍タイヒミュラー空間は擬等角写像を用いて構成され,すべてのタイヒミュラー空間を内包し,その複素構造を決定する空間である.これは単位円周から複素平面への擬対称埋め込みの空間とみなされる.近年,その部分空間の研究が進展し,とくに円周の微分同相写像の空間には複素構造やケーラー計量が導入され,数理物理学における超弦理論では紐の相を記述するパラメーター空間となっている.このように曲線の変形を記述する空間として認識される普遍タイヒミュラー空間を,画像処理の分野で平面曲線の効率的な変形を与える座標空間として用いるための研究である.

研究実績の概要

ヴェイユ・ピーターソン曲線の可視化のために,以下のような準備を行なった.可積分タイヒミュラー空間はヴェイユ・ピーターソン曲線のパラメータ空間として近年関心がもたれている.可積分性の指数を一般化することなども含めて理論の拡張が試みられてきたが,曲線族の表現とそれを定義する関数空間上の作用素に関する従来からある調和解析的な議論に技術的に依存する部分があった.その問題に関して,複素解析的なタイヒミュラー空間論の視点である曲線の同時一意化の方法により,これまでの理論を見通しよく整備できる研究のある方向について発見することができた.

複素平面の双リプシッツ自己同相写像による円周または直線の像を弦弧曲線という. 弦弧曲線の族はヴェイユ・ピーターソン曲線を含むより一般化されたクラスである.弦弧曲線を像にもつような直線の埋め込みの空間も同時一意化の方法によりタイヒミュラー空間を用いて座標付けすることができる. この空間について2つの問題が考えられている: (1) 空間は連結であるか? (2) 弦弧曲線に対して定まる弧長パラメーターからリーマン写像パラメーターへの対応は連続か? この問題が弦弧曲線の可視化のためにどのように影響するかを研究した.

双曲幾何的に表現される擬対称埋め込み写像にに関して,以下の研究を行なった.任意に与えられた2つの双曲的1点穴あきトーラスについて、一方からもう一方への変形を与えるために最大に引き伸ばす測地線層および左右の地震変形の測地線層を数値的に求める試みを行った。さらに、これらの測地線層を3次元反ド・シッター空間とみなした SL(2,R) の中で可視化した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理論的な準備段階の研究が先行していて,曲線を生成するためのアルゴリズムの研究にまで進んでいない.

今後の研究の推進方策

平面上の単純閉曲線の族に適切な座標付けを行い,その空間に計量を導入し,ある曲線から別の曲線への最も効率的な変形を記述する.さらには曲線を等角接合の方法により1次元空間の同相写像(指紋)で認証する方法を一般化する.これらの理論構成をパッケージ化することにより,目的に応じて座標空間の構造と計量を取り替えて,曲線の変形操作をアルゴリズム化する.さらに,得られたデータから変形のための擬等角写像のベルトラミ係数を書き出し,それを数値擬等角写像を構成するプログラムに乗せて,曲線の変形の過程を可視化する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] 江蘇師範大学(中国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] The p-integrable Teichmueller space for p >= 12023

    • 著者名/発表者名
      Wei Huaying、Matsuzaki Katsuhiko
    • 雑誌名

      Proceedings of the Japan Academy, Series A, Mathematical Sciences

      巻: 99 号: 6 ページ: 37-42

    • DOI

      10.3792/pjaa.99.008

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Parametrization of the p-Weil-Petersson curves: holomorphic dependence2023

    • 著者名/発表者名
      Wei Huaying、Matsuzaki Katsuhiko
    • 雑誌名

      The Journal of Geometric Analysis

      巻: 33 号: 9 ページ: 292-292

    • DOI

      10.1007/s12220-023-01338-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Strongly symmetric homeomorphisms on the real line with uniform continuity2023

    • 著者名/発表者名
      Wei Huaying、Matsuzaki Katsuhiko
    • 雑誌名

      Indiana University Mathematics Journal

      巻: 72 号: 4 ページ: 1553-1576

    • DOI

      10.1512/iumj.2023.72.9323

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 可積分タイヒミュラー空間の理論2024

    • 著者名/発表者名
      松崎 克彦
    • 学会等名
      拡大東工大複素解析セミナー
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 可積分タイヒミュラー空間の実解析的構造について2024

    • 著者名/発表者名
      松崎 克彦
    • 学会等名
      日本数学会年会函数論分科会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Maximally stretched laminations and earthquake laminations for pairs of punctured tori2024

    • 著者名/発表者名
      糸 健太郎
    • 学会等名
      拡大版「リーマン面・不連続群論」研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 可積分タイヒミュラー空間とべゾフ空間2023

    • 著者名/発表者名
      松崎 克彦
    • 学会等名
      関数空間を中心とした実解析・複素解析・函数解析の総合的研究
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考]

    • URL

      https://matsuzak.w.waseda.jp

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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