研究課題
挑戦的研究(萌芽)
異なる原子層物質を積層した原子層薄膜積層系は、結晶の周期構造が失われ準周期系となるため、その物性予測には通常のバンド理論を用いることができず多様な原子層薄膜積層系の系統的な解析は困難であった。そこで、本研究では、原子層薄膜積層系の物性を非可換幾何学と呼ばれる数学的手法を応用することで理論的に解析することを目的とする。異なる周期構造を持つ物質の結合系に対して、波数空間を拡張した少数のパラメータ空間(可換性トーラス)を導入することでより計算コストの低い原子層薄膜積層系の解析手法の確立を目指す。この新手法により、多様な原子層薄膜積層系のエネルギー構造およびその応答現象の系統的理解を得る。