研究課題/領域番号 |
23K17674
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70251486)
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研究分担者 |
永合 祐輔 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (50623435)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2024年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 物性物理 / 液体ヘリウム / 近藤効果 / アンモニア / フェルミ液体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、液体ヘリウム3(3He)において近藤効果を観測し、電気的に中性なフェルミ粒子系における新しい近藤物理学の開拓を目指すものである。近藤効果は固体中電子が示す普遍的現象として、物性から素粒子物理まで物理学の発展に大きく貢献してきた。液体3Heはフェルミ粒子系であるが、近藤効果の実験例はなかった。本研究では以下の2つの研究を行う。(1)液体3He中に分散させた重アンモニア(ND3)の反転遷移の観測から近藤効果を探索する。(2)固体壁に固着した常磁性固体3He薄膜で局在スピンを生成し近藤効果の探索を行う。本研究は3Heを用いた近藤問題への挑戦的アプローチであり、物性物理学の新側面を拓く。
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研究実績の概要 |
本研究は、液体ヘリウム3(3He)において近藤効果を観測し、電気的に中性なフェルミ粒子系における新しい近藤物理学の開拓を目指すものである。具体的には以下の2つの研究を並行して進める。(1)液体3He中に分散させた重アンモニア(ND3)の反転遷移の観測から近藤効果を探索する。(2)固体壁に固着した常磁性固体3He薄膜で局在スピンを生成し、近藤効果の探索を行う。 2023年度は、実験に必要な無冷媒希釈冷凍機とPrNi5核断熱消磁装置、およびND3反転遷移の観測に向けたマイクロ波装置の準備を進めるとともに、常磁性ヘリウム薄膜の磁化測定に向けた予備的実験を行った。ヘリウム薄膜を形成する基板としてグラファイト、多孔質ガラスおよび六方晶窒化ホウ素を検討し、特に六方晶窒化ホウ素上ヘリウム薄膜について、吸着特性をヘリウム4薄膜の超流動性と誘電率測定を利用して調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験に必要な無冷媒希釈冷凍機およびPrNi5核断熱消磁装置の準備に、当初の予定より時間がかかっている。このため進捗状況としては、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後はできるだけ早期に無冷媒希釈冷凍機およびPrNi5核断熱消磁装置の準備を完了し、計画している実験の準備に取りかかる予定である。無冷媒希釈冷凍機については、現有の希釈冷凍機2台について無冷媒化への改造作業を終え、冷却テスト可能な段階にある。他に核断熱消磁装置を装着可能な無冷媒希釈冷凍機も準備する予定である。
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