研究課題/領域番号 |
23K17680
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
中野 治久 核融合科学研究所, 研究部, 准教授 (90442524)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | イオンビーム / ペアプラズマ |
研究開始時の研究の概要 |
プラズマを構成する正負荷電粒子が質量対称性を持つペアプラズマの物性研究は、高エネルギー天体現象の素過程のひとつとして重要であるため、理論・シミュレーション研究が行われている一方、ペアプラズマの生成の難しさから実験研究は殆ど行われていない。本研究は、イオンビーム生成・制御技術および荷電粒子閉じ込め技術を駆使して水素正負イオンからなるペアプラズマの生成し、ペアプラズマ物性の実験研究の開拓を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、イオンビーム生成・制御技術および荷電粒子閉じ込め技術を駆使して水素正負イオンからなるペアプラズマの生成を目指すものである。初年度はペアプラズマ生成装置の仕様策定および設計開始とイオンビーム生成装置(イオン源)の初期試験を目指した。ペアプラズマ生成装置の設計にはイオンビーム輸送制御が重要技術となる。装置設計に向けて、まずは装置概念を基に装置仕様を策定するため、イオンビーム輸送シミュレーションを行った。この結果、ペアプラズマ生成部にイオンビームを導入する際のイオンビーム特性を把握することができた。ペアプラズマ生成にはこのイオンビーム特性を評価することが重要である。このため、ペアプラズ生成部へ導入するイオンビーム特性を計測する装置を製作することとした。イオンビーム計測器の設計をビーム輸送シミュレーションを用いて行い、概ねイオンビームの特性を評価可能な方法を考案することができた。次年度、イオンビーム輸送制御系およびイオンビーム計測器を製作してイオンビーム特性を評価し、ペアプラズマ生成に適したイオンビーム輸送条件を探索する。ペアプラズマ生成装置の大まかな設計を基に、電源関連機器と真空関連機器を中心に既存の必要機材をペアプラズマ生成装置用に確保した。イオン源について、まず一部の設計と既存機器を利用して製作を行い、その後イオンビームの初期試験を行った。しかし、想定したビーム電流が得られなかったため、次年度にビーム電流の増強に向けた改造を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度予定していた装置概念を基にした装置仕様策定に関し、まずはビーム輸送シミュレーションに装置仕様条件の探索したが、適した条件探索に時間を要した。このため装置仕様策定を完了することができなかった。一方、装置詳細設計に先立って想定される規模のイオン源を既存部品を使って構築し、イオン源の性能試験を行うことができた。想定を下回る性能で合ったが、次年度のペアプラズマ生成装置製作に向けて早めに問題点も見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度、遅れているペアプラズマ生成装置の詳細設計を完了を急ぐとともに製作に取りかかる。重要技術であるイオンビーム輸送について、本年度用いたイオン源機器を利用してイオン源を改造するとともに、個別にビーム特性評価を行い、ペアプラズマ生成装置に適したビーム輸送条件を見出す。イオン源を含むビーム輸送機器とペアプラズマ生成部を組み合わせてペアプラズマ生成装置を構築し、ペアプラズマの生成に挑戦する。ペアプラズマが生成されているか否かの確認は静電プローブの信号から判別する。
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