研究課題/領域番号 |
23K17693
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
小池 美知太郎 国立天文台, 天文データセンター, 研究技師 (20973390)
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研究分担者 |
宮崎 聡 国立天文台, ハワイ観測所, 教授 (20290885)
藤井 俊博 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50706877)
川野元 聡 国立天文台, ハワイ観測所, 特任研究員 (90727398)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 宇宙線 / 空気シャワー / CCD / すばる望遠鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
空気シャワー粒子の飛跡をすばる望遠鏡HyperSuprime-Cam(HSC)の検出器で検出できることが明らかになった。 これにより前例のない位置分解能で空気シャワーの撮像が実現できている。 本研究では、HSCの付近に新たに地表粒子検出器を複数設置した地表粒子検出器アレイを構築し、既存のHSCのCCDからの空気シャワーの詳細な構造の情報と地表粒子検出器アレイから独立に推定された空気シャワーの到来時刻・方向・エネルギーなどの基本的な情報を同時に得る世界で唯一無二の観測システムを構築する。 これにより空気シャワーの相互作用および精密構造についての理解が深まることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究プロジェクトは、すばる望遠鏡を使用した宇宙線空気シャワー粒子の観測システムの開発を目指す。 地表粒子検出器の作成に関しては既存の機材を活用し作成が着々と進行中である。4つの地表粒子検出器のうち、最初の2つが2024年の秋にはハワイに送り出される予定である。これらの検出器は、すばる望遠鏡の通風階に設置され、宇宙線が地球大気と衝突して生じる空気シャワー粒子を検出するために使用される。 また、空気シャワーイベント通知システムの検討および設計が進行中である。このシステムは、検出された空気シャワーイベントの情報をリアルタイムで処理し、迅速かつ効率的にデータを分析するためのもので、2024年の秋にはすばる望遠鏡に設置して運用を開始する予定である。 このプロジェクトの進捗は、以下のとおり発表・報告されている。 「すばる望遠鏡に設置する地表粒子検出器の開発」 古坊龍一 2024年日本物理学会春季大会。“Inverse” multi-messenger observation with Subaru Hyper Supreme-Cam Toshihiro Fujii , 2023 December 6th, Suimeikan, Gero, Gifu, "Annual Meeting on Multi messenger Astrophysics"。"Observing cosmic‐ray extensive air showers with a silicon imaging detector", S. Kawanomoto et al., Scientific Reports 13:16091 (2023)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の進捗状況については、プロジェクトは全体として順調に進行しており、大きな問題は発生していない。 地表粒子検出器の開発においては、既存の機材を活用しながら進行中で、4台の検出器のうち2台が2024年の秋には完成し、ハワイに送出される見込みである。この検出器はすばる望遠鏡の通風階に設置され、空気シャワー粒子の観測を行うための重要な役割を担う。さらに、空気シャワーイベント通知システムの構築も進行中である。このシステムは、空気シャワー粒子の検出時に即座にデータを処理し、観測データの精度を高めるためのもので、2024年の秋にはすばる望遠鏡に設置する予定である。このシステムの設計と検討が現在進んでおり、実装に向けた準備が進行中である。また、地表粒子検出器をすばる望遠鏡に設置するための交渉が進行中である。この交渉が順調に進めば、検出器の設置と稼働が予定通り進行することが期待される。 このように、本研究プロジェクトはその計画段階を確実に進めており、今後も研究の目標に向かって着実な進捗を遂げることが見込まれる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度中にすばる望遠鏡を用いた宇宙線空気シャワー観測システムがハワイで稼働を開始することを目標としている。2024年の秋までに、予定している4つの地表粒子検出器のうち最初の2つが完成し、ハワイへと送り出される。これらの検出器は、すばる望遠鏡の通風階に設置され、宇宙線空気シャワーの精密観測を行う。
同時に、空気シャワーイベント通知システムの構築が進行中であり、これも2024年の秋には運用を開始する予定である。このシステムは、検出された空気シャワーイベントの情報をリアルタイムで処理し、迅速なデータ分析を支援する。設置が完了次第、リモートからの追加開発や運用の改善が行われる予定である。
2025年には、残りの2つの地表粒子検出器の製作とハワイへの送出が計画されており、すばる望遠鏡での全検出器の設置が完了する。通知システムの運用と改善も継続され、得られたデータの解析が本格化する。
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