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船舶無線を用いた電離圏のパッシブサウンディング

研究課題

研究課題/領域番号 23K17699
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
研究機関電気通信大学

研究代表者

細川 敬祐  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80361830)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード電離圏 / スポラディック E / 電波伝搬 / スポラディックE層
研究開始時の研究の概要

AIS と呼ばれる船舶無線の長距離異常伝搬を用いたスポラディック E 層(Es 層)の広域観測に挑戦する.AIS の信号は多くの船舶から送信されているため,受信点を 1 地点に設けるだけで,多数の送信点と間に発生する Es 層を検出することができ,その空間分布を広域に可視化することが期待できる.本研究では,この広域観測手法の有効性を評価するために,受信信号から送信元の船舶の位置を自動識別する機能を備えた AIS 受信システムを開発し, 観測を実施する.最終的には,開発した受信システムを多地点に配備することによって稠密な観測網を構築し,Es 層の空間構造およびその時間発展を明らかにする.

研究実績の概要

国際宇宙ステーション(ISS)から市販のデジタルカメラを用いて撮影された地球の画像が,NASAのウェブサイトにおいて公開されている.これらの ISS デジタルカメラ画像は,言わば「見えたまま」の画像であり,カメラの向きや画角,歪み,撮像時刻などの「カメラパラメータ 」の情報が存在しない.本研究は「ISS デジタルカメラ画像のジオロケーションを決定する手法」を確立し,科学データとして再生することを目的とする.最終的には,ノルウェーのトロムソで実施するデジタルカメラを用いた地上較正実験と光学発光モデルと組み合わせることで「画像の RGB 色空間情報からオーロラ電子のエネルギーを推定する手法」を確立し,オーロラ電子エネルギーの広域マップを導出することを目指す.本年度は,ISS に搭載されているものと同型のデジタルカメラによる地上実験を行うための観測システムの開発を行い,ノルウェートロムソにおいて欧州非干渉散乱レーダー(EISCAT)との同時観測を実施した.この観測によって得られたカラーデジタルカメラ画像と欧州非干渉散乱レーダー(EISCAT)による電子密度観測実験を組み合わせることで,オーロラの色(RGB チャンネルの比率)からオーロラ降下電子のエネルギーを定量的に導出する手法を確立する予定である.また,上記の観測データを解析する作業と並行して,機械学習を用いたオーロラの自動検出システムの開発に取り組み,高い精度でオーロラの発生を検知することができることを確認した.最終的には,これらの観測によって得られたデータを用いて,カラーデジタルカメラデータからオーロラの平均エネルギーを推定する手法を確立し,その結果のまとめを行っているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

すでに 2 地点において観測をスタートすることができている.また,2023 年夏季に発生した Es 層の事例について,AIS と GPS 全電子数観測や航空航法用電波観測を組み合わせて,その空間構造を可視化することに成功している.

今後の研究の推進方策

2024 年度以降は,調布・呉に加え,長野県菅平に同型の受信システムを設置する.これにより,3 地点における異常伝搬事例を重ね合わせた形で,Es 層発生領域のマッピングを行うことが可能になる.この複数地点における観測から,受信点を増やすことによって観測視野がどの程度広がるのかを実証的に明らかにする.前述のように,Es 層の発生は,VOR 等の航空用航法電波に対しても混信などの影響を与える.国内 3 地点における AIS 電波のモニタリング観測に基づいて,VHF 帯の航空航法・通信への影響を定量的に評価する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Statistical study of anomalous ILS radio propagation caused by sporadic E2023

    • 著者名/発表者名
      Tabuchi, S., K. Hosokawa, S. Saito, J. Sakai, I. Tomizawa, T. Takahashi, H. Nakata
    • 学会等名
      JpGU Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Observation of sporadic E using aeronautical navigation radio for instrument landing system2023

    • 著者名/発表者名
      Tabuchi, S., K. Hosokawa, S. Saito, J. Sakai, I. Tomizawa, T. Takahashi, H. Nakata
    • 学会等名
      35th URSI General Assembly and Scientific Symposium 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 航空航法用電波を用いたスポラディック E 層の観測と統計解析2023

    • 著者名/発表者名
      田淵駿平, 細川敬祐, 斎藤享, 山本淳, 坂井純, 冨澤一郎, 高橋透, 中田裕之
    • 学会等名
      地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)2023 年秋季年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 短波ドップラー観測と MU レーダーを用いたスポラディック E 空間構造の研究2023

    • 著者名/発表者名
      齋藤龍之介, 細川敬祐, 斎藤享
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合 (JpGU) 2023 年大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Observation of sporadic E layer using ILS radio waves and its usefulness2023

    • 著者名/発表者名
      S. Tabuchi, K. Hosokawa, S. Saito, A. Yamamoto, J. Sakai, I. Tomizawa
    • 学会等名
      American Geophysical Union (AGU) Fall Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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