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キラルな結晶表面はアミノ酸の非対称な合成のトリガーとなるか?

研究課題

研究課題/領域番号 23K17700
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
研究機関東京工業大学

研究代表者

癸生川 陽子  東京工業大学, 理学院, 准教授 (70725374)

研究分担者 興野 純  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40375431)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
キーワード隕石母天体 / アミノ酸 / 太陽系小天体 / 生命起源
研究開始時の研究の概要

アミノ酸の多くはD体とL体を持つが,地球の生物が使っているアミノ酸はほぼL体である。隕石中にL体過剰のアミノ酸が見つかったことから,生物がL体のアミノ酸を使うようになったのは宇宙起源である可能性が指摘されている。カルサイトなどはキラルな結晶表面を持っており,吸着によりアミノ酸のD体とL体の選別が可能であるが,5%程度の過剰しかできない。一方で,キラルな結晶表面によってアミノ酸自体の非対称な合成が起こるかは未確認である。そこで本研究では,非対称なアミノ酸がどのように作られたのかを明らかにするために,隕石母天体での水熱過程を模し,キラルな結晶表面を持つ鉱物を触媒としたアミノ酸の合成実験を行う。

研究実績の概要

アミノ酸は生物に欠かせない分子である。アミノ酸の多くは鏡像異性体であるD体とL体を持つが,地球の生物が使っているアミノ酸のほとんどはL体である。なぜ生物はL体のみを使うようになったのだろうか?小惑星を起源とする隕石中に,L体過剰のアミノ酸が見つかったことから(Cronin & Pizzarello 1997 Science),生物がL体のアミノ酸を使うようになったのは宇宙起源である可能性が指摘されている。鉱物には,アミノ酸のD体とL体のように鏡像と重ね合わせることができないキラルな結晶表面がある。これらは前生物化学的なキラル選択において,自然界に豊富に存在し,局所的なキラル環境を提供する場として着目されてきた。例えば,炭酸塩鉱物であるカルサイトは,鉱物表面の結晶方位により,アミノ酸の吸着しやすさがD体とL体とで異なることが知られている(Hazen et al. 2001 PNAS)。しかし,吸着による選別でできる偏りは5%程度であり,D/L比が1のアミノ酸を積極的にL体過剰に導くには不十分である。そこで本研究では,これらのキラルな結晶表面を触媒としてアミノ酸を「合成」することにより,より大きな非対称を作ることを目的とし,キラルな結晶表面を持つ鉱物のもとでアミノ酸の合成実験を行う。
本年度は,キラルな結晶面が判別可能なカルサイト結晶を選定し,特定の面以外は樹脂でカバーするなどの試料準備を行った。また,予察的なアミノ酸合成実験およびアミノ酸のD/H比を精度良く求めるための確認を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年9月より研究代表者が所属を移動したため,ラボの移動,立ち上げ等で実験の進行がやや遅れた。

今後の研究の推進方策

作製した鉱物サンプルを用いてアミノ酸の合成実験を行う。実験生成物は,キラルカラムを用いたGC/MS分析によりアミノ酸のD/L比を調べる。以上により,カルサイト結晶の露出面によって,非対称なアミノ酸が合成できるかを検証する。
また,カルサイト以外の鉱物がアミノ酸のD/H比の偏りを誘発するかを検討する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Stability and Production of Amino Acids and Their Precursors of Interstellar Origin in the Interiors of Small Bodies in Early Solar System2024

    • 著者名/発表者名
      池田 伊吹, 二見涼太, 癸生川陽子, 小林憲正, 依田功
    • 学会等名
      第48回生命の起原および進化学会学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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