研究課題
挑戦的研究(萌芽)
アミノ酸の多くはD体とL体を持つが,地球の生物が使っているアミノ酸はほぼL体である。隕石中にL体過剰のアミノ酸が見つかったことから,生物がL体のアミノ酸を使うようになったのは宇宙起源である可能性が指摘されている。カルサイトなどはキラルな結晶表面を持っており,吸着によりアミノ酸のD体とL体の選別が可能であるが,5%程度の過剰しかできない。一方で,キラルな結晶表面によってアミノ酸自体の非対称な合成が起こるかは未確認である。そこで本研究では,非対称なアミノ酸がどのように作られたのかを明らかにするために,隕石母天体での水熱過程を模し,キラルな結晶表面を持つ鉱物を触媒としたアミノ酸の合成実験を行う。