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超高速波長可変レーザによるテラヘルツ波フォトニック変調技術の創成

研究課題

研究課題/領域番号 23K17751
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分21:電気電子工学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

加藤 和利  九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (10563827)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワードTHz級電磁波 / 光電変換 / フォトミキシング / フォトダイオード / 波長可変レーザ
研究開始時の研究の概要

二つの波長の異なる光波からTHz級電磁波を生成するフォトミキシングにおいて、光信号生成装置は二つのレーザ光源と光変調器から構成され、小型化、低消費電力化には課題がある。本研究は、レーザ波長変化だけでTHz級電磁波の強度変調を行う技術、また波長変化パターンを変えるだけで様々な変調方式のTHz波を生成する技術の創成を目的とする。THz波生成と、波長可変レーザの波長切り替え高速化極限追求という先端技術を融合し、波長切り替えパターンのバリエーションによりTHz波に様々な変調が施されるという独創的技術に立脚した、全く新しいTHz波生成とこれを用いたTHz波通信の探索的研究に挑戦するものである。

研究実績の概要

波長切り替えと遅延合分波回路による実効的な二光波生成という新奇コンセプトのもとで融合し、さらに波長切り替えパターンのバリエーションによりTHz波に様々な変調が施されるという独創的技術に立脚した、全く新しいTHz波生成とこれを用いたTHz波通信の探索的研究を行った。具体的には一つの波長可変レーザだけで変調されたTHz級電磁波を生成する新技術の創成を目的とし、高速波長可変レーザとして、ピコ秒オーダの波長変化が可能な反射型トランスバーサルフィルタ(RTF)レーザを用いて二光波の生成を行った。レーザ光周波数を時間dtごとに交互に切り替え、光ファイバで構成した遅延量dtの遅延合分波回路に通過させると、もとの波長切り替えパターンと、それからdtずれたパターンが重なり、光ファイバ内には常に波長の異なる二光波が存在することになる。このdtを2nsとし二光波をフォトミキシングすることでTHz波の生成実験系を設計した。さらに周波数変動が1GHz以内となるTHz波生成のために、独自に構築した非線形応答理論を用いたピコ秒オーダの波長制御技術を適用し、周波数を安定化したTHz波生成系を構築した。
実験では二光波の光周波数差を300GHzに設定して、RTFレーザの波長切替を行い、二光波を高速フォトダイオードに入力しフォトミキシングによりテラヘルツ波を発生する実験を行った。その結果周波数300GHzの電波を途切れなく連続的に生成できることを実証した。
これら研究成果を学術論文1件、国際会議1件、国内学会5件発表し、このうち国内学会発表に対して学術奨励賞を2件受賞するなど、得られた成果に対して大きな反響を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

2年目に実施予定であったテラヘルツ波発生を1年目で実現したから。また研究成果への反響が大きく、2件の表彰を受けたから。

今後の研究の推進方策

二つのレーザと光変調器の機能を一つの波長可変レーザで置き換えたTHz級無線通信の実証実験を行う。強度変調ではレーザ波長変化時間と符号誤り率の関係から、Beyond 5Gを想定した100Gbit/s級高速変調に要求されるレーザ性能を明らかにする。周波数変調では多値化を検討し、強度変調のさらに2倍~4倍(200~400Gbit/s)の極限通信速度の可能性を探る。パルス変調では応募者がすでに構築し1Tbit/sまでの繰り返しパルス波形測定が可能な技術を活用して、レーザ波長変化時間と実現可能な最短パルスの関係を明らかにする。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 波長可変レーザーを用いた変調テラヘルツパルス波の生成2023

    • 著者名/発表者名
      白水孝始, 清木直哉, 松本凌, 桝冨直人, 三上裕也, 上田悠太, 加藤和利
    • 雑誌名

      レーザー研究

      巻: 51 ページ: 242-243

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 波長可変レーザを用いた2値周波数変調テラヘルツ波通信2024

    • 著者名/発表者名
      貝出凌汰, 葉聖鴻, 松本凌, 桝冨直人, 三上裕也, 上田悠太, 加藤和利
    • 学会等名
      電子情報通信学会総合大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 単一光源自己遅延テラヘルツパルス波発生法の考案と原理実証2023

    • 著者名/発表者名
      桝冨直人, 松本凌, 三上裕也, 上田悠太, 加藤和利
    • 学会等名
      電子情報通信学会光エレクトロニクス研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 波長可変レーザを用いた2値周波数変調テラヘルツ波の生成手法の実証2023

    • 著者名/発表者名
      貝出凌汰, 葉聖鴻, 松本凌, 桝冨直人, 三上裕也, 上田悠太, 加藤和利
    • 学会等名
      電気・情報関係学会九州支部連合大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 高速波長可変レーザを用いた高速掃引THz-FMCW2023

    • 著者名/発表者名
      桝冨直人, 葉聖鴻, 松本凌, 唐浩嵐, 貝出凌汰, 三上裕也, 上田悠太, 加藤和利
    • 学会等名
      電子情報通信学会ソサイエティ大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] THz-wave Pulse Frequency-Amplitude Modulation Enabled by Single Wavelength-Tunable Laser2023

    • 著者名/発表者名
      Naoto Masutomi, Shenghong Ye, Ryo Matsumoto, Bo Li, Haolan Tang, Yuya Mikami, Yuta Ueda, Kazutoshi Kato
    • 学会等名
      28th Microoptics Conference (MOC 2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-07-04   更新日: 2024-12-25  

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