研究課題/領域番号 |
23K17754
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤澤 剛 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (70557660)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | トポロジカルファイバ / フォトニック結晶ファイバ / 非線形光学効果 |
研究開始時の研究の概要 |
トポロジカルな光閉じ込めモードを有するファイバ構造(トポロジカルファイバ)、そして、その非線形応用、及び、任意光空間状態生成応用の可能性を探る。特に、トポロジカルに異なる二つのフォトニック結晶を、角を有するように隣接させた空孔型トポロジカルファイバのコーナーモード存在条件を詳細に研究し、従来の全反射による光閉じ込めでは実現することのできない、超強光閉じ込めファイバ構造を探索する。さらに、そのファイバにツイストを加え、捻じれた空間の中を光が伝搬する際に獲得する幾何位相が存在するときのモードの伝搬特性を解析し、トポロジカルモードを用いた任意の光空間状態生成ファイバを研究する。
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研究実績の概要 |
R5年度は、研究実施計画記載項目のうち、以下の点について検討を行った。 1.空孔型フォトニック結晶ファイバのトポロジカルモードの物理解明:研究計画に則り、トポロジカルファイバの閉じ込めモードの物理を解明するべく、まずは面外伝搬のバンド構造計算を行った。ホストとなる高非線形ガラスに、正方格子状に周期的な四角の空孔を有する空孔型フォトニック結晶ファイバと、 空孔型との特性を対比するべく、ホストとなる通常ガラス中に、四角の高屈折率誘電体ピラーを有する構造の面外伝搬のバンド構造を詳細に調査した。その際、格子の中央に空孔(またはピラー)がある場合、及び、それを半周期ずらした、格子の4隅に4分の1の空孔(またはピラー)がある場合のバンド構造を調査した。量子情報通信において重要な波長帯となる800nm帯において、適切な格子間隔に設定することで、バンドギャップが開くことをつきとめた。また、空孔型においては前者において、ピラー型においては後者において、Γ点、X点において周期ブロッホ関数のパリティが反転していることを明らかにした。これはつまり、空孔型と、ピラー型で、トポロジカルモードを発現させるための格子の配置が異なることを意味する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に記した3つの内容のうち、最初の一つについてはほぼ予定通りの結果を得た。よって、おおむね順調に進展している、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
トポロジカルファイバを構成する格子構造の面外伝搬バンド構造解析はほぼ終了した。その結果をもとに、特に空孔型フォトニック結晶ファイバについて、トポロジカルモードを有するファイバ断面構造を特定するのが次のステップとなる。R5年度の研究により、空孔型においてトポロジカルとなる格子構造が判明したので、トポロジカルな格子とトリビアルな格子を組み合わせて、格子間に存在するトポロジカルコーナーモードを特定するのがR6年度の目標となる。
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