研究課題/領域番号 |
23K17760
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
黒澤 昌志 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40715439)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | ゲルマニウム / ナノシート / ゲルマネン / 水素脱離 / 水素吸着 / 熱伝導率 / 14族半導体 / 熱スイッチ |
研究開始時の研究の概要 |
ゲルマネン(グラフェンのC原子をGe原子に置換した二次元結晶)は、水素吸脱着で電子やフォノンエネルギーバンド構造が著しく変化する革新的材料と予言されており、実測値に基づく議論が強く求められている。本研究では、研究代表者が世界をリードしている絶縁膜上への合成技術やボンドエンジニアリング技術(水素吸着基の熱脱離技術)を基盤とし、熱伝導率が桁違いに変化する熱スイッチ材料の創製に挑戦する。様々な水素吸着状態に対する熱力学安定性を吟味するとともに、可逆的な水素脱離・吸着の可能性を探究し、熱スイッチ素子の試作・検証を行う。
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研究実績の概要 |
本年度は、Ge(111)基板上に合成した水素修飾ゲルマネン(GeH)ナノシートを用い、水素脱離する際の加熱条件と結晶構造の相関を調査した。昇温脱離ガス分析法からは、100℃以上に加熱すると水素脱離が生じ始め、300℃程度で水素脱離がほぼ完了することが明らかとなった。水素脱離前後の結晶構造解析をX線回折法により行い、GeHナノシートの層間距離が水素脱離過程で減少することを明らかにした。具体的には、300℃加熱後の層間距離は加熱前に比べ10%縮小した。以上、GeHナノシートの結晶構造を破壊することなく水素脱離が生じるプロセスを構築に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水素修飾ゲルマネン(GeH)ナノシートの結晶構造を破壊することなく水素脱離する手法の確立に成功しており、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
熱物性計測の装置導入を急ぐと共に、可逆的な水素脱離・吸着の可能性を探究する。加えて、絶縁膜上に転写したゲルマニウムナノシートの熱物性・電気物性評価を進め、熱スイッチ応用に適したデバイス構造設計を進める。
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